テロには流派がある~爆弾テロには必ず背後に“組織”!高嶋ひでたけのあさラジ!

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4/6(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

サンクトペテルブルク地下鉄爆破テロ 犯人はキルギス出身の専門学生
6:29~ニュースやじうま総研ズバリ言わせて!:コメンテーター佐藤優(作家・元外務省主任分析官)

ロシア地下鉄テロ現場で献花するプーチン大統領=20170403ロシア・サンクトペテルブルク地下鉄工科大学駅付近 写真提供:共同通信社

ロシア地下鉄テロ現場で献花するプーチン大統領=20170403ロシア・サンクトペテルブルク地下鉄工科大学駅付近 写真提供:共同通信社


テロには流派がある 爆弾テロには必ず背後に“組織”

高嶋)サンクトペテルブルクの例の地下鉄爆破テロですけれども、犯人はキルギス出身の22歳の男、ジャリロフという容疑者で、今日あたりの新聞報道では、サンクトペテルブルクで専門学校に通いながら自動車工の父を手伝っていたと。過激派組織との関係は様子としては無かったと。しかし2月にキルギスに帰省して以降、様子が急変したと、こういう風に指摘されています。とにかく故郷に帰って戻ってきたら、ちょっとおかしいぞ、みたいなことになっていたらしいと。これはどう取ったら良いですか?

佐藤)実は昨日偶然なのですけれども。イスラエルのテルアビブ近郊にヘルツェリアっていう街があります。そこに「テロ対策センター」というすごく有名なセンターがあるのです。そこに9.11のテロを半年前に予測したガノルさんという有名な先生がいるのですが、その先生と会ってサンクトペテルブルクの話をしたのですよ。これを披露するのはこれが初めてですけどね。
今回のサンクトペテルブルクのテロの話をしたら、テロには流派があるのですって。1番目が“一匹狼”、2番目は“家族・兄弟”、この二つのテロはナイフ・自動車・せいぜいアメリカの場合はライフル買えるからライフルまで。爆弾が使われる自爆テロはこれまで例外が無く背後に“組織”があると。だから今回のテロは今までの例と照らし合わせた場合には背後に組織があって、恐らくは「イスラム国」だろうと。

佐藤)それから1ヶ月程度で考え方が急激に変わって――というのはよくある話であると。

高嶋)あ、そうなのですか。


自殺願望者がネットを通じてイスラム国に出会うのが始まり

佐藤)はい。その理由というのは、大体の場合、彼は証拠が無いから言えないのだけども、自殺願望のある人だと。例えば失恋、あるいは親との大喧嘩、学業不振による退学の危険性。こういうようなことでもう「死んでしまいたい」と思った人間が、いろいろと探してインターネットを通じてイスラム国に出会うと。そうすると「お前このまま自殺したら人生の敗残者だぞ。しかしアッラー神の為に死ねば、人を殺して儒教者になれる。自爆テロで。そうすればお前は人生の勝利者だ」と、こういう話をすれば1ヶ月くらいでグッと自爆テロにいくと。これは全然珍しくないと言っていました。
だからその人間が抱えている個人的な問題が何かあって、特に自殺願望と繋がっている場合1ヶ月くらいで急変すると言っていました。

高嶋)犯行声明が無く動機が不明と、新聞は指摘していますけど。

佐藤)イスラム国の今までのテロは犯行声明の出たことの無いものが殆どです。それで動機は非常にはっきりしております。動機は今シリアでイスラム国掃討作戦をロシアが展開していますよね。それを止めろということです。


心の弱みに付け入るテロ組織 日本人も十分標的に

高嶋)そうやって何か精神的に参った人を見つけて囁くようにテロリストに育て上げるというか、手懐けさせるというか。

佐藤)日本でもあったでしょう。北の方の大学の数学をやっている学生が「俺もう卒業ができない、死にたい」と言った時に「死にたいのだったら死に場所を教えてあげようか。ここに来れば死ぬことができるよ」と言ってイスラム国に送ろうとしていた元大学教授がいたじゃないですか、ターバンを巻いている。それで出発する前日に警視庁公安部が「私戦予備陰謀」という西郷隆盛対策で作った明治時代の古い法律を持ってきて捜索しましたよね。それでパスポートを取り上げましたよね。同じようなことが起きているのですよ、日本でも。

高嶋)人間というのは結構弱いものですね。

佐藤)そう、その弱さに付け込むのがこういうテロ組織なのです。

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