ロシアの大統領選挙は“悪い候補”“うんと悪い候補”そして“とんでもない候補”の闘い!?高嶋ひでたけのあさラジ

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3/2(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

まもなく実施されるロシア大統領選挙 予想される「プーチン圧勝」はなぜか?
6:29~ニュースやじうま総研ズバリ言わせて!:コメンテーター佐藤優(作家・元外務省主任分析官)

3月11日にロシアの大統領選挙、やはりプーチンの圧勝

高嶋)新聞に来年、3月11日に、ロシアで大統領選挙が実施される見通しと載っているのですが、この見通しというのは何ですか?

佐藤)日にちが確定してないということでしょうね。

高嶋)それだけの話ですか?

佐藤)ええ、3月11日ごろに行われるだろうと見られていたのですが。

高嶋)プーチン氏の再出馬は、自明の理というね。プーチンさんって今いくつですか?

佐藤)64歳です。

高嶋)64。いつから大統領をやっているの?

佐藤)47からやっています。途中、お休みしましたけれども、任期6年になりましたから、四半世紀やることになるでしょうね。

高嶋)それは周囲もプーチンさんを支持してのことですか?

ロシアの選挙は「悪い候補」と「うんと悪い候補」、そして「とんでもない候補」の闘い

佐藤)他にいないからですね。ロシアというのは、日本とちょっと感覚が違います。ロシアでの選挙というのは、「悪い政治候補」と「うんと悪い候補」と「とんでもない候補」がいて。「うんと悪いの」と「とんでもない」のを、いかにして弾くかということになります。

高嶋)(笑)。

佐藤)だから「悪い候補としてのプーチン」になる訳です。今回出るジリノフスキーっていうのは「日本が北方領土を要求するなら原爆を落とす!」って言っているヤツ。ナバリヌイというのは、なんでも批判のスーパーブロガーみたいな人。それからヤブリンスキーっていうのも、いい加減な男でね。

高嶋)ホントに悪い(笑)

佐藤)口ではいろいろで言うけれど実行力が全然ないとか。だからそれ見たら、もう最初からプーチンで決まりですよ。絶対に残りの3人にやって欲しくない。

高嶋)それで、プーチンさんの支持率が高いのですか? 8割くらい……

佐藤)そうです。だから消極的支持なのですよ。「他は嫌だ」という。

高嶋)なんか、笑っちゃ悪いけど面白いですね。

「他にいい人がいないから」という選択は世界的な傾向

佐藤)日本も率直に言って安倍さんの積極的支持がどれくらいあるかということですよね。

高嶋)ええ、ええ。

佐藤)民進党にやってもらいたいと思うか? あるいは、維新にやってもらいたいと思うか? 共産党にやってもらいたいと思うか、と。

高嶋)世論調査の設問の仕方って……ナメてません? 「他にいい人がいないから」とか。

佐藤)でも「他にいい人がいないから」という感覚は、ロシアは日本にちょっと近いと思いますよ。

高嶋)ロシアに近い?

佐藤)自分たちの代表者を送り出していくという民主主義は時代遅れかもしれません。アメリカだって、トランプとクリントンはどっちが嫌かという競争だったでしょう?

高嶋)ああ、そうか。

佐藤)今後、ドイツとかフランスでも、とんでもない、極右とかが出てきて、その中で誰がマシかっていう。こいつだけはなって欲しくないというヤツを選ぶみたいな、排除する選挙になってくると思います。

高嶋)韓国なんかも、大統領が駄目になっちゃうと、今度予想されている候補なんか、ホント、暗澹としますものね。

佐藤)そう。だからそのうちの「誰が一番悪くないか」くらいしか考えないでしょう?

高嶋)リーダーがそういうような傾向になっていくのですかね?

佐藤)そうですね。今、他の奴がなったほうが絶対マシになると思えるのは、北朝鮮くらいでしょう。それ以外のところは、今より良いリーダーが各国で来そうだって雰囲気がないのですよ。

高嶋)じゃあプーチンさんなんかも、微動だにしないということですね?

佐藤)しないですね。ただし、この8割の内実ですよ。「本当にプーチンのほうが良いな」と思っているのが、その内の4分の1くらいいるか、それが全然いなくて、みんなが消極的で「プーチン、やりたいようにやったら~」となるかでだいぶ変わりますね。

高嶋)怖いからっていうのもあるのではないですか?

佐藤)いや、あまり怖くないのですよ。

高嶋)あまり怖くないのですか?

佐藤)政治に触らなければ。だからロシアにも言論の自由があるのですね。

ロシアでの『言論の自由』とは?

佐藤)ただし、言論の自由はありますが、その言論の自由を行使したあとの責任の取り方がちょっと違う。たとえばプーチンに愛人がいて子どもがいるらしいと、近くに離婚して…と書いた新聞があるでしょ?

高嶋)ええ。

佐藤)そしたら、その新聞は自主的に一旦、廃刊に追い込まれた。それで全員、記者たちも解雇した。そうしたら「廃刊じゃみっともないじゃないか」とどこからか天の声が聞こえてきて。また元に戻したけれども、すっかりおとなしい新聞になっちゃったとかね。

高嶋)ははは。

佐藤)あるいはWikipedia。日英のWikipediaでは、「カバエバという愛人がいて、認知していない二人の子どもがいる」という説が書かれています。ところがそういったことは、ロシア語のWikipediaにはない。ということは、Wikipediaに書いたら、後でどうなるか。みんなよく知っている訳です。

高嶋)なるほど。

佐藤)言論の自由はあるけれど、その後の責任の取り方がちょっと違う。自由を行使した後の。だからみんなよく分かっているから、あまり自由を行使しない。こういう感じです。

日露首脳会談プーチン大統領来日=20161216首相官邸 写真提供:産経新聞社

日露首脳会談プーチン大統領来日=20161216首相官邸 写真提供:産経新聞社

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