4/19(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！③
圧倒的な保守党支持率～EU離脱が覆ることはない
7:10～やじうまニュースネットワーク：コメンテーター渡辺周(元防衛大臣･民進党衆議院議員)
英20170608総選挙へ～ロンドンの首相官邸前で声明を読み上げるメイ首相=20170418 写真提供：共同通信社
メイ首相「労働党などの反対が我々の交渉力を弱めている」イギリスのメイ首相は18日声明を発表し、議会下院を解散したうえで、2020年に予定されていた総選挙を今年6月8日に前倒しして実施する考えを明らかにしました。来月にも始まるEUヨーロッパ連合離脱を巡る自らの交渉方針について、国民の信を問うことになります。
高嶋) 今年のヨーロッパはいろいろな動きがありますが、イギリスの首相というのはサッチャーさんのせいでしょうか。度胸があるなあと。この経緯をまずニッポン放送報道部森田耕次解説委員です。
森田) イギリスのEU離脱を巡っては、EUが今月の29日に首脳会議を開いて離脱交渉の指針を正式に決定することになっています。2年後の2019年3月末を期限とする離脱交渉が、来月5月にもスタートすることになっております。メイ首相は1月にEUとの離脱交渉の戦略を発表しているのですが、人、モノ、サービス、資本の移動の自由を原則とするEUの単一市場からの離脱も辞さないという、強行離脱の姿勢を表明しておりました。これに対し大多数の野党に加えて穏健派の一部保守党議員からも反発が出ておりました。与党保守党はおととしの総選挙で勝利しておりまして、定数650の会員で今330議席を持っております。最大野党の労働党は229議席ですから100議席ほどの差がありますが、650の過半数が325ですので、330議席だとわずかな過半数ということで、政権運営を不安視する声もありました。今移民の大量流入などに対する国民の不満に答える姿勢がメイ首相の支持率を上げておりまして、最新の世論調査では保守党の支持率が44%、労働党が23%と大差がついているということもあって、メイ首相はこの勢いに乗じて下院での一斉の勢力拡大を目指して、国民に自分の交渉路線が信を得たとアピールする狙いです。保守党の勝利というのが予想されていまして、イギリスのEU離脱の方針は揺るがないとされております。メイ首相は昨日の声明で「労働党などの反対が我々の交渉力を弱めている」と訴えております。
イギリスのEU離脱は日本への影響も少なくない高嶋) 上院のほうにうるさいじーさんがいっぱいいるみたいですね。難癖をつけてくるという。上院は手を付けられないので下院の方で多数を獲得しようという。メイさんの思惑をどう読みますか？
渡辺) 選挙をやって直近の民意というものを一番の武器にして交渉に臨むと。44%対23%という圧倒的な支持率がありますが、選挙になったときにどうなるのか。やはり一種の賭けだと思います。人、モノ、サービスのさまざまな話がありましたけど、離脱することによってのデメリットはどうなるでしょう。日本企業もそうですけどシティという金融エリアがありまして。日本の企業のみならず、世界中から集まっている。イギリスという英語圏をひとつ拠点にしてからEU戦略を考えていた。ところがドイツだったりフランスだったりオランダだったりいろんな場所にシフトチェンジしようとしていると。そういう意味合いでは投資を握らせるということはどうすればいいのか。日本のさまざまな企業にも影響を及ぼしていますから。これは遠いところの話ではなくて、日本国民も関心を持って見ていくべきだと思います。
事前の予測は当たらない「残留論の再燃リスク」も高嶋) EU離脱を決め、これから2年間の交渉と。半分ちょっと超えただけの賛成で離脱しましたよね。いつも根っこの部分が揺らぐ。今日の新聞を見ると活字は小さいですけども「残留論の再燃リスクも」と書いている新聞あります。
渡辺) そうだと思いますよ。国民投票のときに世界中が最後は留まるだろうと。トランプさんがまさか大統領になったという結果と同じで、最近は事前の予測は当たらなくなってきました。イギリスのFU離脱の際もそうでした。。
高嶋) メイ首相の決意というのは、離脱という方針で国民の支持を得ようとしているのは間違いないと。
渡辺） これは再び国民の判断。今回相当慎重にメリット・デメリットがわかったうえで、国民も投票しますから。ただ結果は先ほど申し上げたように事前の予測と違うことが起きるかもしれませんから注視していきたいと思います。
