4/17(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④
米の狙いは自動車と農産物の市場開放
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)
二国間の貿易の枠組み~TPPを崩さずに進めるか?麻生副総理とペンス副大統領の、日米ナンバー2による経済対話の初会合が、あす東京都内で開かれます。二国家の通商交渉を巡るアメリカからの圧力に日本側がどう対処するか注目されます。
高嶋)ペンスさんが来ます。「TTPは嫌だ。ディールがしたい」二国間ということですが、どのような流れになるでしょうか。
高嶋)トランプ大統領の名代として来ることになるのでしょうか、ペンス副大統領はきのう韓国に到着しました。アジア歴訪の一環として日本を訪れると言うことです。25日までに韓国、日本、インドネシア、オーストラリア、そしてアメリカのハワイを訪問します。アジア太平洋地域の状況を把握して、アジア重視をアピールする、重要なミッションが明らかになっている訳ですが、特に日本ではあす東京で安倍総理大臣と会談。そして麻生副総理との日米経済対話を行います。トランプ大統領が、大統領になる以前に、トヨタ自動車に対し、「アメリカ国内に工場を作らないのなら高い関税を払え」というような、いわゆるTwitterの“指先介入”ということもありましたが、この日米経済対話では二国間の貿易に対する枠組み、これが最大の注目点となります。日本としてはやはりTPPという枠組みをなるべく崩さないように進みたい。自動車や農産物の市場開放についてはなるべく触れたくないと言うのが本音ですが、ペンス副大統領がこの辺りに何を言って来るのか、何を求めてくるのか、というのは戦々恐々とした状態でしょう。
高嶋)須田さんの一番の注目点はどこでしょう?
須田)やはり2国間協議で農作物と自動車に焦点を当てて来たと言うのが、一番注目している所ですね。
“遺伝子組み換えの大豆”を食べた害虫は死ぬという事実須田)「アメリカの農作物をもっと買え!」という状況になっているのですが、一番の焦点はやはり“遺伝子組み換え作物”なのです。これは日本の国内ルール等々があって、なかなかアメリカの遺伝子組み換え作物、具体的にはトウモロコシであるとか、大豆であるとか、菜種であるとかね。そうした物が日本に入りにくい状況にあるのです。なぜかと言うと、消費者が選択しているからなのですよ。
高嶋)それが無理やり入って来る。
須田)ええ。そうなってくると、食の安全から、遺伝子組み換え作物はいま安全ではないという証明がされていないのでめったなことは言えませんが、選択肢が奪われるのは問題ではないかと思いますね。
高嶋)何十年食べて来てどうだったとか、そういう証明はされていないのですね。だけど、たとえば僕はマスの養殖を見たのですが、3倍くらいの大きさに。たとえると、須田さんが相撲の曙になってしまう。あれは結構不気味ですね。
須田)ええ。私も実際にこれはアメリカで見て来たのですが、遺伝子組み換えの大豆を見たのです。害虫がそれを食べると死んでいくのです。大豆の葉っぱを食べた害虫は死んでいくという。そういう状況になっているのです。
高嶋)その大豆を人は食べているわけだよね?
須田)ええ。だからその大豆を使って豆腐を作るとか、あるいは納豆にするとか。そういう状況もあり得るわけです。醤油とかもね。果たしてそれが安全なのかという問題もある訳です。
“遺伝子組み換え作物”表示はするべき高嶋)アメリカは国を挙げての科学的根拠とはいうか、国民に食べさせても遺伝子組み換え植物は大丈夫なのだという、そういう判定をしていますけれど、それはキッチリやはり「もっともだな」というプロセスを経ているのでしょうか?
須田)プロセスはアメリカの場合相当厳しいのですが、先ほどの意見のように、「10年、20年後はどうなのか」というところがまだ分からないわけですから。ただそれでダメということではなく、消費者が選択できるように「これは遺伝子組み換え作物を使っています」、「使っていません」という表示をきちんとやるべきでは、と思います。ただ、問題なのは遺伝子組み換え作物から作った油。これには「遺伝子が残っていないのだから、表記する必要はない」という指摘もあるのです。
高嶋)油ね。いろいろ口に入るものですから、神経尖らせますよね。
須田)あるいはトウモロコシというのは、我々が直接食べるものではなくデントコーン……飼料用穀物なのです。そうすると牛を経由してしまうから、これは「遺伝子組み換え作物で育てられた牛ではない」という表示をすることが「不当だ」というアメリカサイドの主張もある訳です。
高嶋)ディールですから、今度は。トランプさんが大好きな国と国の1対1の交渉になる訳ですから。そこのところは譲らずに来るでしょうね。きっと。
須田)ええ。
高嶋)車はどうなりますか?
須田)車は自動車メーカーと、メーカーの労働者の意向を代弁しているでしょうから、ようするに「日本の自動車をあまりこちらに売るな! 売るならアメリカで作れ! そしてもっとアメリカの自動車を買え!」ということを言ってくるでしょう。