4/19(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！④
日本をFTAの交渉に引き込んで、農業や自動車の市場開放を迫る構え
7:10～やじうまニュースネットワーク：コメンテーター渡辺周(元防衛大臣･民進党衆議院議員)
日米経済対話通商巡り水面下で応酬～日米経済対話に臨む麻生副総理(右)とペンス米副大統領=20170418午後首相官邸 写真提供：共同通信社
貿易の二国間での枠組みを協議する共同声明を発表日米両政府は昨日開催された経済対話の後に、貿易の二国間枠組みを協議していくと明記した共同文書を発表しました。アメリカのペンス副大統領は記者会見で「将来、日米自由貿易協定の交渉を始める可能性がある」と表明しました。
高嶋） お互い胸に一物を秘めまして、なかなか自分の本音はここにあるというようなことも表現しておりますが、どう転ぶかはまだわかりません。
森田） 昨日行われた日米経済対話は安倍総理とトランプ大統領が2月の首脳会談で合意した会合の枠組みです。昨日の初会合では日本から外務、財務、経済産業、国土交通という各省の幹部も同席しました。貿易の二国間での枠組みを協議していくと明記した共同声明を発表しまして、貿易や投資のルール、経済構造政策、分野別協力。この３つの分野で協議を進めることで一致しまして、今後閣僚や担当省庁がテーマごとに協議しまして、年内にアメリカで次の会合を開くということで一致しました。昨日共同記者会見に臨んだ麻生副総理とペンス副大統領です。
麻生） これまで日米関係っていうのは摩擦でスタートした物だが、初めて摩擦ではなく、摩擦から協力に変わって。そういう大事な1ページがここに開けたと考えております。
ペンス） 大統領の指導の下に米国は日本とより強固な、よりバランスのとれた二国間貿易関係を模索します。
森田）アメリカとしては対日貿易赤字の削減を最優先課題としておりますので、日本をFTA自由貿易協定の交渉に引き込んで、農業や自動車の市場開放を迫る構えです。安倍政権としてはアメリカへのインフラ投資などで貢献を重視して日本企業の商機を伺うということですが、アメリカ産の大量流入を避けたい米だとか牛肉などでTPPを超える水準の輸入額拡大とか、関税引き下げを迫られるのではないか。こういう警戒感もありますし、自動車市場も日本の輸入の関税はすでに0ですので、アメリカ社の輸入を増やす余地はあるのだろういかと、この辺が悩みどころです。
日本にとってはタフな交渉となる高嶋） 農産物でももうギリギリの交渉でTPPをやっていて、自動車問題でも森田解説委員が言ったように日本ではもう関税は取っていません。あんたらの造る車に魅力がないとわかりきっている話ですが。これはどうですか？
渡辺） 今話があったように、トランプさんが大統領に就任した頃は80年代の発想でした。関税をかけているのは中国が25％、ヨーロッパが10％で、日本は0。そういうことを知らないで恐らく言ったと。日本の輸入車の人気ランキングは1位から4位はドイツ車。アメリカの車にいたってはジープが9300台とか、フォードが2200台とか。これは日本向きではないということですが、そこのところを理解されないで自動車市場と言われても交渉で日本ができることはないと思います。あと考えられるのは農産物のところでもっと関税を下げろということが相当なせめぎ合い。TTPのときも我々も反対をいただきましたので、この二国間は互いにタフな交渉になるのではないかと思います。
高嶋） ニュージーランドとオーストラリアがTTPを離脱してしまいましたが、残る11か国でTTP路線なんかで進めようという意見もあるわけでしょう？
森田）そうですね、オーストラリアとニュージーランドはアメリカ抜きでTTPをということを言っていました。
高嶋） これって本音はそこにあって、「もう話はついているじゃない」というのが日本。でもトランプサイドはタフな交渉をやりたいと。
渡辺) 安全保障もそうですけど、オバマ路線を全部切り替えると。TTPはチャラにして、選挙中に約束した対立強硬論をこれから出す。その代り安全保障の面では日本を守ってやるから。80年代と言いましたけど、もう一回戻って来るだろうと思います。
高嶋) ペンス副大統領はインディアナ州の知事だったと。日本にも過去2回来たことがあっていろいろな交渉をやっているようですけど。穏やかな感じの人で、昨日まとまったことを持ち帰ってトランプさんに報告して、うまい具合にいくと思います？
渡辺) ペンスさんという人はわかっていますから。日本企業は投資させて工場を作って、アメリカで雇用という面でまずは妥協しろということになってくると思います。
