4/17(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
東芝の上場維持は可能か?
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)
国主導で上場を維持か~導積極的に関与したくない銀行団高嶋)東芝について伺います。 “ソフトバンク”、“鴻海”、“アップル”の日米台連合。それから四日市の工場で東芝と一緒に半導体メモリーを作ってきた、アメリカの“ウェスタン・デジタル”の4陣営が競り合っています、という情報が入っている。それぞれの銀行団の思惑とか、あるいは経済産業省。国の思惑とか。いろいろありまして。まず気になるのは東芝の将来なのですが、これはどうなるのでしょうか? 上場廃止の線が濃いのか、それとも何とかなっていくのか。
須田)普通に考えれば上場廃止というのは当然の流れです。というのは、去年の4~12月期決算。これに関しては報道されているのでご存知の方も多いと思うのですが、監査法人が意見不表明という状況になって、異例の展開になっているので、東芝が発表した財務諸表に関しては誰も責任を負えない、というような状況になってきている、ということなのです。普通だったら上場廃止ということになるのですが。
高嶋)それはショックが大きすぎますけどね。だから何とかしようという、そういう動きも出ているのですね?
須田)はい。そうなってしまうと半導体部門もおかしくなってしまうので、表には出ませんが、国が主導して、どうにか上場維持を求めているというのが実態ではないのかなと思うのです。ただ、普通こういった企業が経営難に陥ると、前面に出て来るのは、メインバンクを中心とする銀行団ではないですか。これで、三井住友とみずほ銀行、この2つの銀行がどうも私が見るところ、腰が引けているのです。どうしてかというと、銀行というのは出資をして、大株主として影響力を行使して融資を行うという役割を果たしてきたのですが、あれだけの大きな企業になってしまうと、銀行団がいろいろと口をはさむことが出来なかった。ですから経営実態を正しく正確に把握している様子では無いのです。ですから銀行団としても融資は継続したいけれど、経営内容の実態については正確に把握していないから、「どうかな」というのが、今の銀行の立ち位置ではないかと思いますね。
高嶋)だいぶ前から「地銀は手を引いてしてしまっている」とか新聞に出ていましたが、メインバンクも二の足を踏んでいる?
須田)はい。とりあえず国の目があるから融資は継続するけれども、それ以上は関与したくない、というのが今の銀行員のスタンスではないでしょうか?
高い値段で売るなら台湾鴻海や韓国メーカー高嶋)ということは、監査法人には見捨てられるわ、メインバンクにも袖にされるわ、東芝が生き残るためには相当のハードルを越えなければいけないということですね。
須田)ええ。そういった意味ではこの売却話。半導体メモリーの売却話を、何が何でも成功させなければ、2兆円くらいで売却しなければ、失敗したら東芝に明日は無い、ということになるわけです。ただしこれは買う側にとっては、東芝が弱っているのは火を見るよりも明らかですから、半導体メモリーを安く買い叩こうとハイエナのように群がっているというのが実態ですね。
高嶋)政府はとにかく軍事転用を恐れ、中国と台湾には売りたくない、と言っていますが、それならウェスタン・デジタルしかないのかというと、これはまた難しいですよね。
須田)ええ。そうなると、果たして思惑通りの売却価格を付けることができるのか、という問題になりますからね。むしろ後発部隊の台湾鴻海や韓国メーカーの方が高い値段をつけてくれるのではないか? 背に腹は代えられない。
高嶋)だけど、そんなに無理して、たとえば2兆円で売れたとして、それは借金のカタにするわけですよね? 東芝自体には会社が生き残るための資産はあるのですか?
須田)というよりも、もう将来に「何を作るんですか」、「何を売るんですか」ということが無くなってスッカラカンの状態。です。
高嶋)インフラ事業をやるとか言っていますが?
須田)いや、無理でしょうね。それだけであの企業規模を維持することは100%不可能でしょう。ですから、“東芝”というネーミングが残って、ブランドで生き残っていくということしか絵が描けないのでは、と思いますね。いずれにしても、先は相当つらそうですね。