昨シーズン3位と、今シーズンは「優勝」も視野に入った日立サンディーバ。
しかし、蓋を開けてみると、前半戦で5敗を喫してしまい、貯金1の5位と予想外の苦戦を強いられている。そんな苦しむチームを精神的に支えるのが、「女子ソフトボール界のイチロー」と呼ばれるベテラン日立サンディーバ 背番号19 山田恵里(やまだ えり)。
ルーキーイヤーの2002年に、いきなり数々のリーグ記録を塗り替え、ホームラン王、打点王を獲得、北京オリンピックでは日本代表のキャプテンとして、走・攻・守においてチームを引っ張り、金メダル獲得に貢献。リーグ通算安打数は歴代1位。その卓越したソフトボールセンスから「女子ソフトボール界のイチロー」の異名をとる山田選手。
しかしそんな山田選手でも、唯一獲得できていないタイトルが《リーグ優勝》
昨年の悔しさを踏み台に、《リーグ優勝》へスタートした...が
--- 去年のシーズンを振り返ると
「決勝トーナメントに行けたという事は凄くよかったんですけど、決勝戦に行って、優勝するということが目標だったので、その前の試合で...準決勝で負けてしまったので、凄く悔しい思いが残る年となりました」
---- 昨シーズン、個人として振り返ると
「去年は、春先にケガをしてしまい、開幕戦から3試合試合に出られなくて、チームに迷惑をかけてしまったので、そこが一番の反省点で、チームに貢献できなかったという思いが、すごくあります」
--- 今シーズンの目標は
「チームとしては、昨年3位という結果だったので、今年は必ず優勝するという思いでのぞんでいます。個人としては、まずはケガをせずに1年間乗り切るという事と、どういう状況になっても、結果を残すというのが、私の役割だと思っているので、その役割をしっかり果たしたいと思っています」
--- 前半戦を終えて、6勝5敗の5位タイという結果は
「チームの目標として、この前半戦を9勝2敗と考えていたのですが、5敗してしまったので...後半戦、全力で巻き返していかなければ決勝トーナメントには行けないと思うので、前半戦は本当に課題が多く残る結果でした」
--- 前半戦のチームとしての出来は
「去年は、失点が少なかったのですが、今年は失点も多いですし、打撃もなかなか得点できないという試合が多いので...守備にしても、攻撃にしても、どちらにしても課題だと思っています」
--- (5敗中1点差が3試合、2点差が2試合)負けた試合は、《僅差の負け》が多いですが
「僅差で負けるというのは、ミスが多い方が負けるので...それは目に見えるミスだけでなく、気持ちの面もそうですし...そういうちょっとした部分が相手より上回れていない結果が、負けにつながっているのかな。と思っています」
--- 個人記録を見ると、山田選手は打撃率0.464で2位。個人としては調子が良いのでは
「前半戦終わってみれば2位の打撃率ではあるんですが、波が結構激しかったので...チームを勝たせることができなかったので...結果以上に反省の残る前半戦です」
--- チームの新戦力・新人3人は、山田選手からみてどんな選手
「岡村奈々投手(背番号27)は、日本代表にも入っていますし、中学生の時から知っているのですが、本当に第一線で戦える投手だと思っているので、凄く頼もしく思っています
松本怜奈選手(背番号3)も、U19日本代表に入っているので...試合はなかなか出ていなかったのですけれど...本当に将来に期待がかかる選手だと思います
関口裕美子(背番号12)は、試合にはまだ出ていないんですが、本当にパワーがあるバッターなので、これからが楽しみな選手だと思います」
--- 日本代表について
「2020年のオリンピックまで、約3年なんですけれども、本当に1年1年1日1日が勝負だと思うので、しっかり1日を大切にしたいですし、今の日本代表には、オリンピックを経験している選手が少ないので、しっかりと私の経験を、若い選手に伝えていくのが自分の役割だと思っています。コンディションを整え、そしてしっかりとチーム全体を見て、金メダルを獲る為には、どうすればいいのかをみんなで考えてやっていきたいと思っています」
--- 日本代表の最大のライバルは
「日本代表の最大のライバルは、アメリカになってくるとは思いますが、他のオーストラリアや、カナダ・その他のヨーロッパのチームもそうですし、年々世界のレベルが上がって来ているので、どこが相手でも、簡単に勝てないなと思っています」
--- 山田選手のオフの過ごし方は
「甥っ子、姪っ子と遊んでいます(笑)」
--- ソフトボールを始めたきっかけは
「小学校1年生の時、兄の影響で野球を始めて、中学生までやっていたのですが、高校からは公式戦には出られないという事でソフトボールを始めました。ソフトボールを始めた時は、オリンピックの事は、まだ頭になかったんですが、高校2年生の時に、シドニーオリンピックを見て、《自分もあの場所にたちたいな》と思って、はじめてオリンピックを意識しました」
--- 9月2日(土)からリーグの後半戦が始まります
「前半戦で5敗してしまっているので、本当に全勝するという意気込みで臨まなければ、決勝トーナメントには行けないですし、優勝はできないと思うので、このリーグ戦がお休みの3カ月間で、しっかりと準備をして後半戦を迎えたいと思います」
--- 現在、打撃率2位、個人的に狙いたいタイトルは
「個人タイトルについては、いつも意識はしていません。後から結果がついてきたらいいなと思っているので、チームの勝利を一番に考えています」
--- 後半戦に向けてのポイントは
「ピッチャーが頑張っていても、点を取らなければ勝てないので、打撃陣がもう少し頑張らなければいけないと思っています。自分がしっかりと背中で引っ張って行ければ、みんなも付いて来てくれると思うので、みんなが活躍できる雰囲気だったり、環境を作っていきたいと思います」
--- メッセージ
「今年は、関東で試合も沢山行われます。スピード感や、相手との駆け引きがソフトボールの面白さだと思うので、ぜひ生で、そういうところを見に来て頂いて、感動して頂けるような試合をしたいと思います。応援よろしくお願いします。」
【取材】よこいみちひと
番組情報
今シーズンも「いつでも みんなのプロ野球」をキャッチに、臨場感あふれる実況生中継はもちろんのこと、様々な企画もあわせて“いつでも”リスナーや野球ファン“みんな”が楽しめるシーズンをお届けします。2024年は“熱ラジ”