1986年11月17日、BOØWYの『BEAT EMOTION』がオリコンチャートで1位を獲得

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1986年11月17日はBOØWYの『BEAT EMOTION』がオリコンチャートで1位を獲得した日。

この作品はBOØWYにとって5枚目のオリジナルアルバムであり、彼らが初めてチャートの頂点にその名を刻んだアルバムでもある。

当時のBOØWYの勢いはとにかく驚異的だった。『BOØWY』『JUST A HERO』とアルバムを続けざまにリリースし、その度に倍々ゲームのようにパワーを増していた。そんな中、彼らが本気でセールスを意識して作ったのがこのアルバムだ。

プロデューサーは布袋寅泰と、当時彼らが所属していたユイ音楽工房のプロデューサー粕谷銑司。レコーディング期間はたった18日間だった。レコーディングがスタートしたのが9月6日で、その2カ月後、11月8日にはアルバム・ジャケットも完成してレコードショップの店頭に並んでいたのだから、そのスピード感はもの凄い。

そしてそのスピード以上に凄いのは1曲ごとの完成度の高さだ。“ビートバンドのお手本といった仕上がり”と評されたこともあるこのアルバムからは「B・BLUE」と「ONLY YOU」の2曲がシングル・カットされているが、もちろんそのどちらもシングルチャートのベスト10にランクインしている。ちなみにご存じの方もいると思うが、この「ONLY YOU」は氷室が彼の奥さんのために書いた曲。BOØWYがライブで必ず演奏する曲の中に氷室が昔のガールフレンドとのことを書いた名曲がある。「それを聴くたびに(奥さんが)少し寂しそうな顔をするから、この曲をあいつのために書いたんだ」と、確かどこかで本人から聞いたことがある。

アルバムタイトル『BEAT EMOTION』は、実はかつてのBOØWYのツアータイトルでもあった。まだ全国のライブハウスを回っていた1984年当時のツアータイトルを、なぜ5枚目のアルバムタイトルにしたのか。残念ながら私は知らない。

ただ当時、新宿LOFTで「BEAT EMOTION LOFT2DAYS ~すべてはけじめをつけてから」というライブを行っていたこと、そしてその数カ月後にはユイ音楽公房と新たにマネージメント契約を結んでそれまでとは全く違うアプローチを始めたこと等々を考えると、このアルバムタイトルには彼らの1つの決意があったと考えてもいいのかもしれない。もしかしたらあまりにも穿った見方かもしれないが。

彼らの目標通りこのアルバムはミリオンセールスを記録した。ほんの2年前には想像もしていなかったオリコンチャート1位にもなった。けれど実はこの輝かしい事実の一方でBOØWYはこの頃、すでに終わりに向けて歩き始めていた。

このアルバムのリリースから1年後、BOØWYは突然、解散を発表した。

【著者】榎本幸子(えのもと・さちこ):音楽雑誌「ミュージック・ライフ」「ロック・ショウ」などの編集記者を経てフリーエディター&ライターになる。編著として氷室京介ファンジン「KING SWING」、小室哲哉ビジュアルブック「Vis-Age」等、多数。

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