チケット転売問題 どうなる東京五輪チケット
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去年の年末もこのニュース記事を扱いましたが、国内最大手のチケット仲介サイト「チケットキャンプ」が業務停止になって38歳の社長が書類送検になった。
この「チケットキャンプ」は去年の10月の時点で会員数370万人を突破。チケットキャンプの利益は売り手側から「チケット代金×8・64%」。1万円のチケットの場合864円。買い手側からは支払手数料。1万円の場合は324円 (税込)。金額に応じて変動。他にも、似たような「チケット仲介サイト」はあるそうなんですがチケットキャンプが爆発的に流行った要因は2つ。
①身分確認が原則不要。
②テレビCMなどによる知名度。
このチケットキャンプ、創業は2013年。2015年、あの「ミクシィ」が115億円で買収して話題となった。そのミクシィの巨大な資本力により、テレビコマーシャルをバンバン放送するようになった。それまで一部の人しかしらなかった「チケットキャンプ(略してチケキャン)」という名は、誰もが知るようになった。
そして、今回、なぜ書類送検されたのか? 実はインターネット上でチケットの転売を、取り締まる法律というのは、原則としてないんだそうです。東京都の場合、路上のチケット転売行為は「迷惑防止条例」で取り締まれますが、インターネットの場合は難しい。
今回、書類送検されたのは4人。そのうち、3人はプロの転売業者で「チケット転売の会社」をやっていた人たち。そのうちひとりは、大阪の「ヒット」という転売会社の社長。安室奈美恵さんのコンサートチケットを、他人名義で購入した詐欺罪で書類送検。この「ヒット」は、人気のアーティストのファンクラブに大量に入会し、いわゆるプレミアチケットを毎回大量に当選、購入し転売していた会社。チケットキャンプ内だけでわずか2年半で、およそ10万枚のチケットを販売し、32億円を荒稼ぎしていた。
そしてチケットキャンプの社長は、この大阪の「ヒット社」に「販売手数料の8%を、ゼロにするので、是非、うちのサイトを利用してくれ」と持ちかけた「商標法違反」と「不正競争防止法違反」の容疑がかけられた。これは悪質! としか言いようがありません。
なかなか減らないチケットの転売について、政府は対策を取らないのか? 実は、1月22日から始まる国会で取り上げられる予定なんだそうです。なんといっても2年後に控えた東京オリンピック・パラリンピック。販売されるチケットの総数は、およそ1千万枚と言われています。その販売の詳細、並びに第一弾販売の受付が、今年の夏ごろから、始まるのではないかと言われている。
それに向け、石破茂さんを会長とする「ライブ・エンタテインメント議員連盟」は、チケット転売の法整備に向けた法案「特定興業入場券の転売に関する法律案 (仮称)」を今国会の、会期内での成立を目指します。この法案が成立すると、インターネットのオークションサイトや、仲介サイトにおいて「チケットを定価以上で販売する行為」が原則として取り締まることが可能になるそうです。
また、オリンピックのチケット問題で、今後問題となるのは、本人確認の方法。現在検討されているのは「紙のチケット」ではなくスマホなどを使ったチケットレスにして、マイナンバーカードの情報を、スマホのSIMカードに移行する案なども検討。しかし、これらにも抜け穴と指摘する声もある。スマホを貸し出すことで、転売が可能になってしまう。そもそも現在、行われているコンサートなどの身分証確認。運転免許などの「顔写真付き身分証」がない人は「保険証」や「住民票」などを使うそうなんですが、転売屋は入口付近で「保険証とチケット」を貸出す。コンサート終了後に返却させるなどを行っている。
他にも現在転売行為で問題となっている「同伴転売」。例えば4枚の連番のチケットが当選。申し込んだ人ひとりの本人確認を行い、その他3枚を転売で販売するというもの。本人確認は、当選者の代表者しか行われないため、防ぎようがない。
もしもオリンピックのチケットで4人全員、名前を記入し応募して全員の身分証の確認を行うとする。購入からおよそ2年後となる7月。急に仕事で行けなくなる場合がある。ではその時、当選したチケット4人分のうち、行けない分のチケットを、友人に譲渡した場合、本人確認はどうなるのか? など問題が発生していく。
現在、当日いけなくなった分のチケットを定価で売買できるシステム作るなどの案が、検討されているそうです。
1月22日(月)高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より
高嶋ひでたけのあさラジ!
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