1/29(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！②

被害者は主に20代～30代の電子マネー世代
7：02～ひでたけのニュースガツンと言わせて！：コメンテーター須田慎一郎（ジャーナリスト）

仮想通貨とは、データ上にのみ存在する株券のようなものである

仮想通貨取引所「コインチェック」から580億円相当の仮想通貨NEMが流出した。　仮想通貨とはどのような通貨なのか？　そして、流出したNEMは取り戻せるのか、その保証はされるのだろうか？

高嶋）「コインチェック」から580億円相当の仮想通貨NEM（ネム）が流出した事件。社長は東工大出身で、まだ27歳。東京恵比寿の雑居ビルの小さな部屋で、仮想通貨取引所「コインチェック」をやっていました。そもそも「仮想通貨」というのは、どうイメージすればいいのですか？

須田）簡単に言うと、今回のNEMや、有名なビットコイン等の仮想通貨は、「それを企画した人や企業、会社が発行する株券のようなもの」と考えるのが1番分かりやすいと思います。株券ですから、日本銀行やFRB、各国政府が信用を保証しているわけではなく、「発行した人間そのものが信用」と考えてもらう。その人間・企業の信頼によって、値段が上下するという状況です。

高嶋）「世界で1,500くらい出ている」という報道もありますね。私が驚いたのは、やっている層が若いことです。新聞で“被害者たちの声”を見ると、20代や30代なのです。ようするに、パソコン世代やIT世代。まったく現金に頼らない生活が普通にできる人ですね。

須田）そうですね。以前ご紹介させていただいた、「LINE Pay」みたいな電子マネーを日常的に使っていて、違和感を持っていない。我々はちょっと現金至上主義ですが。

「仮想通貨を現金に交換する取引所」がハッキングされた

高嶋）根本的に分からないのは、仮想通貨で儲けた人がそれを現金化するときです。仮想通貨だから、データ上にしかない。現物がパチンコみたいに出てくるわけでもない。すると、どういう手続きを踏むのですか？

須田）「現金に交換してくれる取引所」が必要なのです。通常はインターネット上の「ウォレット」という、仮想通貨用の自分の銀行口座に置いておくのですが、それを現金に交換してくれる取引所を運営していたのが、コインチェックの社長だった。

高嶋）コインチェックはNEMを発行しているし、お金の現金化もやっている？

須田）「発行する」というか、「欲しい人に売る」ということです。逆に、「買う」というのが、「現金化」することですから。

高嶋）なるほど。「株券のようなもの」と言いましたが、すると日頃、上下しているのですか？

須田）もちろんです。価格の変動があって。信用を失うと一気に紙クズになってしまうことから考えて、「株券のようなもの」と言って良いと思います。

高嶋）昔に事件があったとき、私は全然信用していませんでしたが、最近では金融庁がいろいろ言っていて。国も管理に入っているのですね。

須田）いろいろ、こうした問題が起きかねないということで。取引所の設立に関して、「認可が必要」というスタイルを取っているのですよ。もっとも、今回の場合、認可を取っていなかったのですが……
1番大きな問題なのは、やはりセキュリティシステムが非常に甘いのです。仮想通貨は実物が無く、インターネット上のデータでしかない。そのデータを書き換えられてしまうと「盗まれた」となってしまうのですが、そのデータにアクセスするのに、2タイプしかアクセスできない。「お金を持っている本人」と、取引所を運営しているシステム管理者です。通常、ハッカーはシステム管理者に成り済ますのです。そうすれば簡単に数百億円のお金が盗まれることになるのですが……

コインチェック側は顧客の資産は現金で返すとしている

高嶋）平然と社長が「金は現金で、日本円で返します」と言っていますが、それは可能ですか？

須田）売っているわけですから、使っていない限りはどこかで日本円が蓄えられている。ただし、「その後仮に値段が上がっていたとしても、その分は返しませんよ」ということだろうと思います。

高嶋）下がっていたら、下がっていた値段で。ということは、社長たちは信用していいのですか？

須田）いや、「資産があるかどうか」が問題です。「ある」と主張しています。何故「ある」と主張しているのか。「実はありません」と言ったら、場合によっては詐欺になりますから。そこは、そう言わざるを得ない状況。本当にあるかは、これからの検証が必要だと思います。

高嶋ひでたけのあさラジ！
FM93AM1242ニッポン放送 月～金 6:00～8:00