3/5（月）FM93AM1242 ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ②
業態転換を求められる各メーカー
7：02～ひでたけのニュースガツンと言わせて！：コメンテーター須田慎一郎（ジャーナリスト）
創業100周年を迎えるパナソニック、変換する事業の柱
パナソニックが今月7日に創業100周年を迎える。かつて「家電の雄」と言われたパナソニックも事業の柱は大きく変換している。生き残りをかけ、家電メーカーは今後、どう変わっていけばいいのだろうか。
高嶋）パナソニックが3月7日で創業100年を迎えるということです。今の家電の王者、かつての松下電器、いろいろなメーカーがありますが、昔のイメージの家電メーカーなんてのはあるのですかね？
須田）もはや存在しないのではないですかね。「家電の雄」と言われていたパナソニックですら今、事業の柱が2つありまして、1つは太陽光パネルです。もう1つが住宅事業を中核とする住宅家電事業です。電気設備であるとか、家電も住宅家電事業に付随するようなかたちで存在しているというのが現状です。
高嶋）なるほど。他のメーカー見ても例えば日立だと、リチウムイオン電池がどうしたとかいろいろ聞くし、〇〇電器と付いていても、昔のイメージとは全然内容が変わっています。ソニーなんかもいい例ですよね。
須田）そうですね。私なんか、ソニーというと、ウォークマンとかラジオという意識でしたが、世界の人たちが思うソニーは「スパイダーマン」作ってる映画会社という認識ですから、エンターテイメントが柱ですよ。
テレビの価格は10年で10分の1～もはや家電で食ってはいけない各メーカー
高嶋）みんな変身しちゃいました。そういう中で、とにかく一番、競争の激しい業界であることは事実であって、これからどっちの方を向いて行くのでしょうか？
須田）10年前に家電メーカーの主力商品と言うと薄型テレビでした。当時、薄型高画質テレビの30インチが大体、30万円台でした。
高嶋）インチ1万というね。
須田）そうです。では今日においていくらかと言うと、台湾製のものだと30インチのテレビが3万円台。1インチあたり千円ですよ。
高嶋）千円か。
須田）この10年の間で価格が10分の1になった。そうすると家電メーカーではメシが食っていけない。次世代型の4Kのテレビ、これ驚きました。実質的に50インチのテレビが、正確には49インチなんですけれど、今年に入って10万円切っています。
高嶋）10万切った!?
須田）ええ。家電メーカーとしてそんな中でビジネスモデルを組み立てていこうとしたって不可能ですよ。
高嶋）例えばSHARPひとつ考えても、一時、亀山モデルってすごかったじゃないですか。
強気の商売で。ところがある日、起きたら、あれっ、っていうことになってて、鴻海に買われて。須田）100%子会社。もう日本のメーカーじゃないですからね。
高嶋）でもまた、蘇ってきている。鴻海で。
aibo（SONYホームページより）
業態転換が必須となる各メーカー
須田）家電メーカーも、安い部品を作っている国の工場でそれを買ってきて、安い人件費で作れる組み立て工場で組み立てて、ということであれば生き残っていく道はあるけれども、日本国内ではもう存在する基盤はないのではないですかね。だからいろいろなかたちで生き残りを図っている。私、反省していることが一つあるのですよ。
高嶋）何でしょうか。
須田）私にとってソニーというと、先ほど申し上げたように、「エレクトロニクスのソニー」という意識が強かったものですから、エンターテイメント路線を強める平井社長に対して、さんざっぱら批判しちゃったのですよ。でも、あの方のやってたことは結果的に正解だったのだなと今痛く反省しています。
高嶋）一時、AIBOも止めましたけれども、社業がキッチリ落ち着いてきたら、またああいうものこそ売れそうだという、一種遊び心のあるソニーらしいもの、大変愛くるしいAIBOがまた誕生しました。ということは、昔の技術と、蘇った今の新しいものと相まって、けっこうこれから上り調子ということなんでしょうかね。
須田）相まって新しいビジネスをどこで求めていくのか。従来型の、純粋に家電だけでは、生き残っていくことはできないでしょうから、パナソニックは大きくその体質を変えつつあるのかなと私は思います。松下幸之助さんはおそらく草葉の陰から言っているでしょうね。「もっと早くやれ！」と。「スピード感に欠ける」と。
高嶋）松下イズムはまだ社是としては生きているでしょうからね。その中からどういう風な動きをするか。墓の下から松下幸之助さんの激が聞こえるというね。須田さんの発言です。
高嶋ひでたけのあさラジ！
FM93AM1242ニッポン放送 月～金 6:00～8:00
