トランプ政権と日本の自動車メーカー対応
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8/17(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④
トランプ政権は関税の引き上げを要求する見込み
7:18~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター山本秀也(産経新聞論説委員)
アメリカは貿易赤字削減目指し強気な姿勢アメリカ・カナダ・メキシコの3ヶ国による北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉が、ワシントンで始まりました。交渉の行方によっては、メキシコに自動車の生産拠点を置く日本のメーカーが、部品の調達で新たな対応を迫られる可能性があります。
ようやくNAFTAに関しては再交渉が日本時間の昨夜に、ワシントンで始まりました。初回の会合は20日までワシントンで開かれ、次回はメキシコで9月に行われる見通しで、アメリカ・カナダ・メキシコの3ヶ国は年内の合意を目指す方向です。
NAFTAはクリントン政権時代の1994年に発効して、2008年までに、1部を除き物品の関税が段階的に撤廃されました。これによってアメリカの製造業が、人件費の安いメキシコに工場を移す契機になったのですが、今年上半期のアメリカのモノの貿易赤字を見ると、対メキシコは、対中国に次いで多く、およそ4兆円の赤字ということで、この貿易赤字を減らしたい、ということです。
そして、いまメキシコに進出している日本企業も自動車メーカーを中心に、1,100社以上にのぼっています。メキシコに進出する日本企業とメキシコ政府との会合も24日にメキシコで開かれるとのことで、日本企業にも当然、この交渉の結果が影響します。
高嶋)この北米の通商協定というのは、日本企業にとって非常に大きいですよね。
山本)これは大きいですね。巨大市場であるアメリカを睨んだ生産拠点をどこに置くかは、日本企業にとって大変大きな戦略ですから。当面のところはメキシコに製造業が集中したわけですね。家電もそうでしたし、いまのメインは自動車です。
これが、話に出てきた「部品の調達率」の壁が上がってきたりすると「メキシコで操業できるのか?」という問題になりますよね。そうなると、メキシコ本体の経済も、外資が逃げていくことになれば、ガタが来ますので、これは非常に大きな問題です。
トランプさんというのはできたことは限りがあって、対外的な条約を蹴飛ばして歩いた。TPP、NAFTA、パリ協定を蹴飛ばしてきたわけですが、この交渉の行方というのは日本の立ち位置、特に自動車というものに根強く入ってきますから、要注意ですね。
3ヶ国をまとめ上げるのは長い時間が掛かる高嶋)きわめて、具体的な仕事に直結する交渉ですから。これはやはり強気で臨むでしょうね、トランプさんは。
山本)トランプさんも強気ですが、カナダにもメキシコにも、それぞれ守らなければいけないものが当然あるわけで。
たとえばカナダは「自国農産物のアクセスを変えて貰っては困る」と。それから「環境は大事というのは、我が国の国是だ!」と、当然言いますよね。
メキシコも、「モノ・サービス共々に守らなければ国が保たない」ということになってしまいますから。そこは口で言うほど簡単ではないですよね。高嶋)まとめ上げるのは至難の業で、相当長期化する、というわけですか。
山本)私はそう思います。細部に至るまで、もの凄く細かい交渉になりますからね、コレは。
高嶋)日本は「アメリカの方に工場を造ろう」とか、けっこう気を使っていますよね。
山本)それなりにやっています。特に副大統領のペンスさんの地元のインディアナ州に、実は早手回しで出ている企業があるそうです。
高嶋)その辺との兼ね合いというのが、これからどうなるのですかね……
高嶋ひでたけのあさラジ!
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