8/14(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
家電業界に変わる新たな産業を作っていかなければ日本経済の将来はない
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター須田慎一郎(経済ジャーナリスト)
ようやく有価証券報告書を提出しましたが未だ混迷する東芝。一方、シャープは鴻海のテリー・ゴウ会長の手腕を学んで大きなコストカットに踏み切り、業績が回復しました。日本の家電メーカーの今後はどうなっていくのでしょうか。経済に強須田慎一郎さんに伺います。
徹底的なコストカットで業績回復したシャープ高嶋)シャープが復活途上にあるということで、鴻海(ホンハイ)の通称テリー・ゴウの郭台銘さんの評価が非常に高くなっていると言います。シャープの人たちは喜んでいますか?
須田)喜んでいます。底を打って上昇過程に入ってきたのではないかと意識していますから。でもなぜ復活してきているのかというと、新製品がヒット商品になって売れているからではなく、いわゆるコストカット。徹底的な経費削減によって利益が出てきているにすぎませんから。これは底打ちをしたというレベルにしか留まらないのではないかと思います。
高嶋)コストカットというと日産自動車もカルロス・ゴーンさんが来たときに大変なコストカッターと言われましたよね。最初はそこから手を付けるのが普通ですか?例えばどんなコストをカットしていくのですか?
須田)経費削減ということで、何かを企画をする、製品を作るにあたって無駄なところをどんどんカットする。あるいは人件費に手を付けるとかいう形で、物件費や人件費のところが大きいのかなと。加えてもうひとつ大きなコストカットがあります。普通は家電メーカーはいろいろなところから部品を調達して組み立てて売っています。自社で全ての部品を作っているわけではありません。下請け部品メーカーからそういったものを買ってきます。それに対して値引き、買いたたくということをシャープの社員はやってこなかった。だから徹底的に下請けに対して部品単価あるいは手間賃・工賃を安く求めていくと。
高嶋)テリー・ゴウはそれを無慈悲にできると。
須田)そうですね。それをシャープがやり始めました。
家電メーカーは引退間近のエース状態高嶋)今までは日本の家電も駄目になったねくらいの調子で見ていましたが、株価を見てみると酷いことになっているじゃないですか。どうなりますか?
須田)ちょうど過渡期だと思います。これまでの日本の家電メーカーで考えると、ルームエアコンを売りますとかテレビだけを売りますという状況でしたが、モジュール化といえばいいのでしょうか。例えば住宅であると太陽光で発電をして全ての家電製品に配給して、なおかつインターネットで繋がっているという一体化。みなさん気が付かれていないかもしれませんが、ある大手メーカーのクーラーにはすでにカメラが搭載されています。今は使われていませんが、これが将来的にはインターネットと接続することを前提としています。
高嶋)IoTというようなものですね。
須田)そうですね。今後は一体化というものが進んでくるのではないかと。それを成功させ住宅部門でやっているのがパナソニックです。
高嶋)日本経済では、安倍総理がいつも自慢していましたよ。株価が高くなって民主党のときより何倍にもなったよと。今度は円も高くなってきているので輸出産業で謳歌していたところが非常に苦しくなるということがありますよね。日本経済に対するこれからの影響はどうですか?
須田)日本経済にとって家電メーカーは、これまでは屋台舟を支える主要産業でしたが、役割りを終えつつあるのかなと。
高嶋)もう関係ないですか?アベノミクスにも。
須田)引退間近のかつてのエースです。そういった意味でいうと家電業界に変わる新たな産業を作っていかなければ日本経済の将来はありません。
高嶋)株をやっている人たちはなぜあんなに敏感なのですか?
須田)やっぱりアップダウンが激しいからですよ。家電メーカーに関してはね。
高嶋)そうですか。果たしてどう動いていくのか。東芝といろんなニュースの抱き合わせで聞いてきましたけれども、家電メーカーは非常に厳しい時代になっていると。
須田)消えてなくなることはないと思いますけどね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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