東芝は上場廃止して経営再建をするべき 高嶋ひでたけのあさラジ!
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6/26(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④
タカタ民事再生法申請&東芝メモリ事業売却~渦中の2社大きなヤマ場
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)
日本企業2社にとって今週は大きな山場欠陥エアバッグのリコール問題で揺れるタカタは、民事再生法の適用を、今日午前にも、東京地裁に申請します。一方、経営再建中の東芝は、半導体子会社の売却について、日本、アメリカ、韓国の連合による契約を結ぶ方向が固まりつつあります。渦中の日本企業2社は、今週大きな山場を迎えます。
タカタは明日株主総会。東芝も明後日株主総会ということで、非常に切羽詰まった中で決断を迫られているということが言えると思います。タカタの方は民事再生法の適用申請。市場の混乱を避けるためにも、取引時間開始前に、今日取締役会を開いて手続きを済ませるのではないか、と言われています。自動車メーカー各社が立て替えているリコール費用は1兆円規模。今年3月末時点のタカタの負債総額は4000億円ほどですので、合計で負債が1兆円を超えるのは確実と見られており、製造業では最大の負債総額ということになります。一方東芝は、今年3月末時点の債務超過が確実になったとのことで、東証2部降格が決まりました。先週23日に記者会見をした、綱川社長です。
綱川社長)東証2部への指定替えについては、まずはこのような事態になり、ステークホルダーの皆様には、多大なるご迷惑、ご心配をおかけすることを、深くお詫び申し上げます。
畑中秀哉デスク)メモリー事業売却については、「産業革新機構などを中心とした日米韓連合で、今月27日にも、契約を交わしたい」という意向が伝わってきています。こちらも、株主総会を前に、何とかギリギリで決断をしたい、という構えのようですが、ただ、こちらの方は、それが仮に上手くいったとしても、アメリカのウエスタンデジタルの訴訟の問題もあります。それから、来年3月期末にこちらが債務超過になると、いよいよ東芝は上場廃止ということにもなるわけですので、まだまだ高いハードルが待ち受けているのが現状のようです。
実は2期連続で債務超過していた!? 四面楚歌の東芝高嶋)須田さんの専門分野ですが、1番のポイントは何ですか?
須田)「東芝が上場維持できるのか?」というところと、「メモリー事業の売却が着地できるのかどうか」の2つです。東芝との提携先のウエスタンデジタルが反対している。すると、仮に決めたところで、株主総会に間に合ったところでも完全な着地にはならずに、やはり訴訟のリスクをずっと抱えたまま走るということは、結果的に売却先を決めたところで、東芝の経営は安定しない、ということですからね。そして、隠れポイントとしてもう1つあるのが、実は「昨年(2016年)3月末、資産超過(通常の状態)ではなく、債務超過ではなかったのか?」という問題が常につきまとっているのです。
高嶋)去年の3月末については東芝は債務超過と言っていないのですか?
須田)言っていません。去年3月末が債務超過の場合、2期連続で、上場廃止になってしまいますからね。それを頑なに認めていないわけです。ところが、そこを問題視しているのが、監査法人プライスウォーターハウスクーパースなのです。ですから、そういった意味で言うと、「監査法人に監査意見を出さない」という異常な状況になっているわけです。東証(東京証券取引所)がその辺りをどう判断をするのか、と。そこを問題にすると、2部降格どころか、上場廃止ということにもなりかねない。
高嶋)いろいろな問題を抱えていて、四面楚歌。どこを向いてもみんな問題を抱えていて。それで、政府がいま乗り出してきて噛んでいますが、こんなので上手く纏めることは可能なのですか?
須田)相当難しいと思いますよね。ですから、これはあくまで私の個人的意見ですが、やはり昨年の3月末はどう考えても債務超過なのですよ。ここを東芝が認めて上場廃止にした上で、きちんと経営再建をしていくべきなのに、そこをやらないから、様々な弥縫策で補っていかざるを得ないという状況です。
高嶋)2部降格は悔しいけれどギリギリ認められる。しかし、とにかく2期債務超過で、もう上場廃止。これは先輩方や関係者、ステークホルダーに申し分けなさすぎて、腹を斬らなければならない。しかし、斬っても済まない、というところですか。
須田)そこがどうなるかがポイントですね。