高橋みなみも感心! 作家・朝井リョウの「原稿チェック」へのこだわり

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4月15日(日)放送のラジオ番組「高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと」で、自分たちの特集記事の掲載前チェックについて、文章の細かいところまで自らチェックを入れたい朝井リョウと、本人は一切見ずにチェックを事務所に任せている高橋みなみが、その両極端な意見を戦わせた。

高橋みなみも感心! 作家・朝井リョウの「原稿チェック」へのこだわり

昨年、番組と女性ファッション雑誌『ar(アール)』がコラボし、それぞれの着回しコーデを披露し掲載された2人。この度そんな“ファッション誌ジャック”の2誌目が決定したそうで、ファッション誌『JJ』に6ページに渡る番組の特集が組まれるという。

この企画で高橋が「スタイリストデビュー」したことが朝井から明かされたが、なぜか嫌そうなリアクションの高橋。実は先日番組の中で、高橋がイタズラのつもりで買ってきたベトナム土産のバナナ柄のシャツを、あろうことか『JJ』の特集の中で朝井が着用したという。高橋のジョークに対し、それをファッション誌で着用するというさらに大きなジョークで返し、高橋を自らのスタイリストに仕立て上げた朝井は、「ちゃんと“スタイリスト”ってプロフィールに書いてくださいね!」と勧めたが、高橋は「それでスタイリストデビューとか、本当に不本意です!」と断固拒否の姿勢だった。

そういった経緯もあり、特集で表記されている2人が着ているアイテムの詳細が書かれたクレジットには、「ニット ○○円」などの記載がある中で「バナナ柄のシャツ(高橋みなみベトナム土産)」という見たこともないクレジットが混じっているという。事務所にチェックを任せているため自分では出来上がりを見ていなかったという高橋は、それを聞いて驚きの様子を見せたが、自分の掲載ページは全て自分で全部細かくチェックしているという朝井は、高橋が自らチェックをしていないことに驚きつつ自らのこだわりについて語った。

朝井:これについてはちゃんと喋りたいんですけど、私、仲良くしている小説家の羽田圭介さんが芥川賞をとられたときの会見がすごい印象に残ってて。

高橋:うんうん。

朝井:テレビに出るようになって、何が一番ストレスかというのをすごい考えたと。テレビに出る前は「たくさんの人に見られる」とかそういうことかと思ってたけど、意外とそうではなくて、「編集される」ということが小説家にとって一番ストレスだと仰ってて。

高橋:そうなんだ~!

朝井:小説家って、1文字目から10万文字目まで全部自分で編集するっていうのがお仕事なわけですよ。

高橋:ほんとだね、すごいわ。

朝井:めっちゃ分かると思って。このラジオもほとんど生放送みたいなもんじゃないですか。収録は収録だけどそのまま流れている部分が多いから。生放送って、自分が編集者でもあるというか。

高橋:そうだね。自分で起承転結全部作るもんね。

朝井:(今回の『JJ』の特集も)今日入稿みたいな感じで、直前まで手を入れさせてもらって。メールで原稿を戻したんですけど、高橋さんに聞いたら事務所の人が見ていると。

高橋:そう、写真にしても文章にしても、事務所の人がチェックしてOKならそのままいっちゃうから。

朝井:(拍手)

高橋:なになになになに!?どういうこと!?

高橋みなみも感心! 作家・朝井リョウの「原稿チェック」へのこだわり

朝井:強いなぁ~と思って。

高橋:なんで?何が強いの!?

朝井:だってさ、そのとき話した言葉がそのまま文字起こしされたら、結構「あっ!」っていうのないですか?

高橋:あ~でもそれのさじ加減を事務所がやってくれてるから。だから所属している意味があるっていうか。

朝井:でも自分で1回見たいなとはならないってこと?

高橋:・・・恥ずかしい。

朝井:え、どういうことなんだろう。私ね、ほんとそれがムリすぎて。今回ね、『JJ』のライターさんほんと上手だったの。たまにね、とんでもない書き起こししてくるライターさんとかいて。

高橋:いらっしゃいますよね。

朝井:そういう人に限って、「直したところは、赤字に変えていただけるとありがたいです。」みたいに言ってくるから、私は「じゃあ分かりました。」って言って、(Wordの)文章の一番左上から右下の文末までカーソルをバーッて持ってって、1回全部真っ赤にして(笑)

高橋:あはは(笑)

朝井:全部自分で書き直すことがあるくらい、自分でやっぱりチェックしたいんですよね、文章を。

小説家という職業柄、自分でチェックを入れなければ気が済まないという朝井。その裏には誤解されるのが怖いという恐怖があるそうだが、自身が尊敬する小説家・吉田修一から「小説家は誤解されるところから始まるから、誤解されないようにするのは無駄な抵抗。」と言われたこともあるそうで、そうした悩ましい心情についても語った。

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