巨人・坂本の打撃開眼のヒントとなったヤクルト・山田の言葉
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【プロ野球巨人対阪神】試合前、3,4月度打者部門の月間MVPを受賞し、会見を行った巨人・坂本勇人=2018年5月9日東京ドーム 写真提供:産経新聞社
昨日、東京ドームで行われた巨人ー中日戦。初回、中日先発・松坂がこの試合、最初に投げたボールを、いきなりレフト前へはじき返した坂本勇人選手。相手の出鼻をくじくヒットが、続く2番・吉川の先制ツーラン(プロ初ホームラン)を呼び、巨人は9対5で快勝しました。
昨日の試合は坂本にとって、首位打者を争う中日・アルモンテとの直接対決でもありました。ゲーム前はアルモンテが打率トップでしたが、坂本が2安打で、打率3割6分1厘。アルモンテは1安打で打率3割6分ちょうど。坂本がみごと、トップの座を奪い返したのです。
一昨年、3割4分4厘という高打率を記録。初めて首位打者のタイトルを獲得した坂本。ショートを専任で守る選手が首位打者に輝いたのは、セ・リーグでは初めての快挙でした。
坂本に打撃開眼のヒントをくれた人物は、2人います。まず1人目は、2016年の春季キャンプで巨人の臨時コーチを務め、坂本をマンツーマンで指導した、松井秀喜です。
「右足に体重をためて打ちにいけ」
というアドバイスを実践してみると、“ゴジラ効果”で打率は急上昇しました。
そしてもう1人は、意外にも東京ヤクルト・山田です。
2015年のオフ、侍ジャパンのメンバーに選ばれ「プレミア12(トゥエルブ)」に出場した坂本。チームメイトの山田から、こんな言葉を聞きました。
「“ひと月30安打”を6ヵ月積み上げれば、打率は3割になるんですよ」
年間のおおよその打数を考えると、30本×6カ月で、ヒットを180本打てば、ほぼ確実に3割に届きます。この言葉を聞いて、目からウロコが落ちた坂本。日々上下する打率を気にせず、毎月コツコツ30本ずつヒットを打っていこうと考え方を変えたところ、打席での余計な力みが消え、2016年は168安打。1ヵ月あたり、およそ28安打をマーク。首位打者を獲得できたのです。
去年は打率3割を切り、チームもBクラスに転落してしまっただけに、「2度目の首位打者を獲って、V奪回」が大目標。首位・広島との3.5ゲーム差を縮められるかどうかは、キャプテン・坂本のバットに懸かっています。
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