8日、セ、パ両リーグのゴールデングラブ賞の発表があり、巨人の坂本がプロ10年目で初受賞を果たしました。
ショートに定着して、9年目。今季は、打率3割4分4厘で首位打者と、最高出塁率4割3分3厘の2冠に輝いています。
ちなみに、セ・リーグでは初めて遊撃手の首位打者。オヤッと思うところでは、2年連続死球がゼロということも目を引く記録です。
2006年の高校生ドラフトで巨人から1位指名。といっても、堂上直倫(なおみち)のハズレ1位。
まず、感謝しなければならないのは、原前監督です。
「セ・リーグナンバーワンのショートになれる」と素質を見抜き、1年目から1軍で起用、2008年は10代にも、かかわらず開幕スタメンへ抜てきしています。
少々、伸び悩み傾向だった2012年1月には、守備の達人、ヤクルト・宮本(現評論家)へ「教わりに行け」と自らが橋渡し役となって、大いに刺激を受け、テクニックを磨きました。
また、2011年11月、中日を戦力外になった井端(現巨人・内野守備走塁コーチ)を獲得したのは、原監督の強い意志で「V9時代の川上巨人は、他球団からベテランを獲得しながら、若手を鍛え一人前にしていった」と力説したそうです。
もっとも、井端コーチは現役時代、坂本を直接指導したことはありません。
コーチがいるから、あえてしゃしゃり出ることはなかった。しかし、自身が使用したグラブをプレゼントし、無言の指導を行っています。
「井端さんのグラブから見出したものもたくさんあります」
と坂本。
今季の失策が16あったことについて井端は、「ひとけたにしないとね。でも、伸びる可能性があるし、賞を獲ってもっとやらなくては、という気になる」とコメントしています。
首位打者、ゴールデングラブ賞に輝いた今オフは、もっか行われている侍ジャパンの合宿でも、率先して若手を引っ張っています。
首位打者の陰に松井秀喜さんがいたこともあげておかなければなりません。
シーズン序盤から打撃が快調。それは宮崎春季キャンプでの松井からのアドバイス、
「右足へ体重を残すといい。ジーターもやっていた」
を実践したから。以来、内田打撃コーチと、その特訓を重ね、その結果が首位打者につながりました。
いろいろな人の恩を受けながら今日の坂本があると言えるでしょう。
11月9日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」