5月7日放送 ゲスト:俳優 吉田鋼太郎 第1回
剣豪にして詩人、権力に背を向ける熱血漢! けれど、自分の醜さを恥じ、愛を語れないシラノ。麗しく、才女。けれど、愛の詩に酔いしれ、盲目的な愛に突き進むロクサーヌ。その姿はさわやかで美しい、けれど、溢れる愛を言葉にできないクリスチャン。
愛とは何か、正義とは何か——。吉田綱太郎と黒木瞳が共演する舞台『シラノ・ド・ベルジュラック』が5月15日から上演される。
番組2度目のゲスト出演はあさナビ初
黒木)毎日、さまざまなジャンルのプロフェッショナルにお話を伺っていくあさナビ、今週のゲストは俳優で演出家の吉田鋼太郎さんです。
鋼太郎さんはこのラジオ初の、出演2度目のゲストです。初めての男。
吉田)ちょっと意味が分かりませんが、初めての男、光栄です。
黒木)さて、そんな鋼太郎さんと私、なんと共演することになりました。舞台が始まります。
吉田)そうなんですよ。『シラノ・ド・ベルジュラック』という劇です。
黒木)5月15日からです。もうすぐですね。体調はいかがですか?
吉田)頑張っています。全編出ずっぱりなので疲れていないと言えばウソですが、毎日黒木瞳さんとお会いできるのが何よりも嬉しくて、元気いっぱいでございます。
黒木)あら、口は良く回るんですね(笑)
フランスの戯曲、『シラノ・ド・ベルジュラック』
黒木)この『シラノ・ド・ベルジュラック』はフランスの戯曲ですが、鋼太郎さんからどんな物語なのか、教えていただけますか?
吉田)まず私が演じるシラノ・ド・ベルジュラックという男がいます。彼は鼻が異常に大きく、容姿にコンプレックスを持っています。
ただ、非常に男気があり、しかも剣の達人。友情にも厚く、みんなからも慕われているのですが、唯一、鼻のコンプレックスによって、「好きな人に恋を打ち明けられない」という悩みがあります。瞳さんが演じるロクサーヌという女性を好きになるのですが、打ち明けられない。ロクサーヌは美青年の男でシラノの友人であるクリスチャンを好きになる。クリスチャンは美青年だけど口下手で、彼もなかなかロクサーヌに恋を打ち明けられない。
そして、シラノはなんと、クリスチャンに代わりロクサーヌへの愛の架け橋の役を務めるという、ちょっと切ない話です。最終的にクリスチャンとロクサーヌは結ばれますが、シラノはずっと1人のまま……。
黒木)ですが、とても悲しい結末が待っているんですよね。
吉田)待っています。とても悲しい結末が。
黒木)ものすごい純愛ですよね、これ。
吉田)最近ではお目にかかれないような純愛ですね。
19歳のとき以来40年ぶりの純愛劇
黒木)純愛の作品は、過去にどんなものが?
吉田)意外かもしれませんが、19歳のときに『ロミオとジュリエット』をやらせていただきました。でも、それ以来記憶がないですね。
黒木)それ以来ですか? どうですか、久しぶりの純愛作品は。
吉田)気持ちいいですね、とっても。もともと僕自身、純愛路線だったので。
黒木)吉田さんご自身は知っています。愛の固まりですものね(笑)
吉田)そうなんです(笑)。なので、眠っていたものを呼び起こされる感じもします。
黒木)私もこの作品に入って、久しぶりに宝塚を思い出しました。だって、「あなたのことを心から愛しています!」みたいなセリフ、なかなかテレビや映画ではありませんから。
吉田)言わないもんね。
本格的な恋文は書いたことがない
黒木)「好きよ」くらいはあったとしてもね。シラノは素敵な恋文を書くのですが、鋼太郎さんは恋文、ラブレターは書かれたことはありますか?
吉田)高校1年生のときにちょっと気になる女子がいて、文通していました。そのなかで、記憶はあまりないですが、「好きだ」みたいなことを書いた気はします。
黒木)詩を書いたりは?
吉田)詩は無いし、書かないなぁ。
黒木)詩を贈られると、ちょっと、ね。
吉田)恥ずかしいよね、まず基本的に。なかなか普通の人はできないな。女の子は書くの?
黒木)小学校6年生の頃から書いていました。
吉田)他の友達も書いていたの?
黒木)多かったですね、私の周りでは。
吉田)そうですか。それをラブレターみたいにして貰ったこともないですね、俺は。
黒木)え、ラブレターもない?
吉田)あったけど、自分が想っている人から貰ったことはない。
黒木)ちょっと照れている鋼太郎さんのようですので、ここで締めたいと思います(笑)。『シラノ・ド・ベルジュラック』は日生劇場で来週5月15日から始まりますので、ぜひ劇場でご覧になって下さい。お待ちしております。
吉田綱太郎/俳優
1959年1月14日生まれ。東京都出身。B型。58歳。
高校生の時にシェイクスピア喜劇『十二夜』を観て役者を志す。
上智大学文学部ドイツ文学科在学中にシェイクスピア研究会公演『十二夜』で初舞台。
大学中退後、劇団四季などを経て1997年、演出家・栗田芳宏氏と劇団AUNを旗揚げ。
シェイクスピアやギリシャ悲劇などに要求される高い演技力と作品理解力で貴重な俳優として数々の舞台に出演。蜷川幸雄作品の常連として知られ、若い役者との親交も深い。また数多くの舞台演出も手掛けている。
近年はドラマや映画でも活躍。人気作品に数多く出演し、2013年には初主演作品『東京センチメンタル』が大きな話題となった。
2016年1月1日、一般女性と結婚(4回目のご結婚)2016年10月には、亡くなった蜷川幸雄さんの後を引き継ぎ、彩の国さいたま芸術劇場が主催する「彩の国シェイクスピア・シリーズ」の2代目芸術監督に就任。
2018年5月、東京・日生劇場にて上演される舞台『シラノ・ド・ベルジュラック』に出演。
『シラノ・ド・ベルジュラック』とは?
1897年にパリで初演され、1世紀を経た今も世界的に上演されるフランスの傑作戯曲。
剣豪にして詩人で権力に背を向ける熱血漢だが、自身の容姿に悩み、愛を告げられないシラノ、非の打ち所がないほどの麗しい才女ながらも愛の詩に酔いしれ、愛に突き進むロクサーヌ、姿はさわやかで美しくも、あふれる愛を言葉にできないクリスチャンの行く末を描く。シラノ・ド・ベルジュラック役:吉田鋼太郎 ロクサーヌ役:黒木瞳
クリスチャン役:大野拓朗・白洲迅(ダブルキャスト)ド・ギッシュ伯爵:六角精児
*5月15日~30日まで、日生劇場で上演。チケット公表発売中。
http://hpot.jp/stage/cyrano
(2018年5月7日放送分より)
ENEOSプレゼンツ あさナビ
FM93AM1242 ニッポン放送 月~金 6:43~6:49
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳