日本のボクシング界は、ミドル級で日本人初の防衛に成功した村田諒太や、桁違いの強さで海外のボクシングファンからも注目されている井上尚弥らの活躍により、隆盛期を迎えています。この2人のように、近年は、アマチュアエリートからプロへと転向し、チャンピオンとなるケースが多いのですが、田口良一選手は、プロの世界で地道にキャリアを積んできた、ジム叩き上げのチャンピオン。所属ジムの会長は、そんな田口を“雑草”と表現しています。
1986年、東京生まれの31歳。“つよカワイイ”と称される甘いルックスと安定感のある強さで、女性ファンも多い田口。ボクシングを始めたきっかけは、ある漫画でした。それは、大人気のボクシング漫画「はじめの一歩」。いじめられっ子だった主人公・一歩が、ボクシングに出会い、成長していく物語です。小学生のころ、いじめらっ子だったという田口は、一歩に自分を重ね合わせ、ボクシングを始めたのです。近所のボクシング教室からスタートし、本格的にボクシングを始めたのは高校3年の時。名門・ワタナベボクシングジムに入りました。
2006年にプロデビューし、6戦全勝で全日本新人王に輝くなど、着実にステップアップ。そして、田口が一躍脚光を浴びたのが、2013年、日本ライトフライ級王座の初防衛戦です。当時から「怪物」の異名をとった井上尚弥と激闘を繰り広げ、判定で敗れはしたものの、何度も見せ場を作り、評価を上げました。この一戦が自信となり、その後は、対戦相手に対して「井上君よりは絶対強くないだろう」と思えるようになったという田口。翌年には、WBA世界ライトフライ級王座を獲得。漫画の一歩より先に、世界王者となりました。その後、コツコツと防衛を積み重ね、去年の大みそかには、WBAとIBFの2団体統一戦に勝利、日本人で3人目の統一王者となったのです。
そして今回、田口は、WBAは、8度目、IBFは初となる防衛に向け、南アフリカのブドラー選手と拳を交えます。統一世界王座の防衛に成功すれば日本人初の快挙となるこの試合。田口は、
「いい状態だと思う。日本初というのはうれしいし、何としても勝ちたい」
と意気込みを語りました。
今年の目標として掲げるVIO、さらにその先には、4団体統一も見据える田口、さらなる高みへの第一歩となる一戦は、あさって、大田区総合体育館でゴングです。
5月18日 飯田浩司のOK! Cozy up!「スポーツアナザーストーリー」
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