すべてが伝説となった20世紀を代表するヒーロー 元世界ヘビー級チャンピオン モハメド・アリ(享年74歳) スポーツ人間模様

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20世紀を代表するヒーロー、元世界ヘビー級チャンピオン、モハメド・アリさんが3日、米アリゾナ州フェニックスで敗血症ショックのため亡くなられました、74歳でした。

10日には、一般ファンも参列して、生まれ故郷のケンタッキー州ルイビルで葬儀が行われ、ビル・クリントン元大統領が弔辞を述べるそうです。
ボクシング界だけにとどまらず、世界中のあらゆる人々のヒーローでした。
元ヤンキースのデレク・ジーターさんは、こう話しています。

「自分の心情を最初に口にしたアスリートだった。どんなにそれがマイナスであろうともやり続けたところがすごい。」

人種差別と戦い、ベトナム戦争に異議を唱えて、兵役を拒否しました。

「ベトコンはおれを差別しないし、おれがベトコンを殺しに行く理由は何もない。」

その結果、世界ヘビー級チャンピオンのタイトルを剥奪され、プロボクサーとしての資格も失い、禁固5年罰金1万ドルとなりました。
しかし、信念を曲げずに国を相手に戦い、1971年合衆国最高裁で無罪を勝ち取りました。

3度のチャンピオン奪取を成し遂げた戦績は、61試合で56勝5敗。
すべてが伝説のような戦いで、ひとつを選べといわれれば、やはりキンシャサの奇跡と呼ばれた74年10月30日、アフリカの現コンゴ(ザイール)で行われた世界統一王者、ジョージ・フォアマンへ挑んだタイトルマッチでしょう。
「象をも倒す」と恐れられたハードパンチャーに対してロープ・ア・ドープという戦術で対抗。ロープにもたれ、相手のパンチを腕でブロックして、自分では打ち返さない。体力を温存して、一発逆転を狙いました。大方の予想を覆し、8R逆転のKO勝ち。

ボクシングを始めたのは、12歳。
誕生日にお父さんからプレゼントされた自転車を盗まれ、警察へ行くと、応対した警官がボクシングのトレーナーをしていた。
それが縁で、アマチュアとして活躍。1960年ローマ五輪のボクシング競技、ライトヘビー級で金メダルを獲得します。
同年、プロデビューを果たし、スターへの階段を駆け上がることに。

「チョウのように舞い、ハチのように刺す。」

と評されたファイティングスタイルは、それまでのスタイルを覆すものでした。

ちなみに、日本でモハメド・アリといえば、必ず出てくるのが40年前の76年6月26日、日本武道館でのプロレスラー、アントニオ猪木との「格闘技世界一決定戦」。
いまだに、世紀の茶番とも揶揄されているものの、日本中、いや世界中が、期待に胸をときめかしたスペシャルイベントでした。

(原文)青木政司

6月6日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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