広末涼子の演技を開眼させたある監督のひとこと

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6月13日放送 ゲスト:女優 広末涼子 第3回

広末涼子の演技を開眼させたある監督のひとこと

大手銀行の出世コースから外れ、そのまま定年退職した田代壮介を主人公にしたハートフルコメディ映画『終わった人』。舘ひろし・黒木瞳が夫婦を演じる。広末涼子が演じるのは、主人公・壮介が大学院を卒業するために通うカルチャースクールの受付嬢の浜田久里。同じ岩手県出身で、男性を勘違いさせる言動をする天然な一面を持つ女性。

黒木)涼子ちゃん、デビューされてもう20年以上ですね。

広末)そうですね。

黒木)でも最初は、15歳くらいか。じゃあ何もわからずに大人の世界に入って行ったわけだ。でもお芝居のお勉強とかしたことは?

広末)なかったです。もう、即実践でした。

黒木)この監督に出会ったことで実になったという経験などはありますか?

広末)台本に『涙』があるからといって、泣かなければならないということではないんだと言ってくれた監督さんがいました。
自分の親代わりのような人が亡くなるシーンがあって。まだ私は10代で、お友達も家族も、誰も身近な人が亡くなったことがなくて、「そんな大切な人が亡くなった時に、涙が止まらないのか涙が出ないのか、わからない」って言ったんです。そしたらその監督さんが、「台本に涙があるからといって泣かなければいけないことはない。そこに立ったときにあなたの感じるままにやればいい」と。その言葉は、今でも背中を押してくれますね。

黒木)感情を解放させてくれますよね、そういう言葉は。「こうしなきゃいけないだろう」ってどうしても役者はト書きに左右されるから。いい監督さんでしたね。

広末)そうですね。そのあとに出会った監督さんはこの役で、このシーンで、大事な親友が亡くなった顔を本番にしか見せなくて、棺桶の顔を見た時に「お前の役は絶対に泣くな」って言われたんです。でも、連ドラで一緒にやってきた仲間の顔を初めてそこで見た時に、もう無理だったんです。涙を2リットル貯めても泣くなって言われていたのに無理だったんです。でも、そこでオッケーを出してくれた時に、ああ、そういう表現で演出してくれる監督なのだなとわかりました。

黒木)でも、泣けって言われたら「泣かなきゃ! 泣かなきゃ!」って思うじゃない? でも泣くなって言われたら余計に気持ちが溜まるんですよね。貴重な体験ですね。

広末)たくさんそういう方々と出会わせて頂けて、勉強させてもらいました。

黒木)そういう一つ一つが、「明日も女優としてやっていこう」ということにつながりますよね。

広末涼子/女優

1980年、高知県高知市出身。
1994年、中学2年生のときにCMオーディションに優勝して芸能界デビュー。その後、数々のCMに出演して社会現象ともいえる人気を獲得。
1997年、歌手デビュー。紅白歌合戦に出場。
1997年、映画「20世紀ノスタルジア」で映画初主演。
1999年、映画「秘密」「鉄道員」に出演。日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。
2008年、映画「おくりびと」に出演。日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。そのほか、数々の映画・ドラマ・舞台で活躍。

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