7月6日(金)、宮藤官九郎がパーソナリティを務めるラジオ番組「宮藤官九郎のオールナイトニッポンGOLD」が放送され、ゲストとして登場した映画『パンク侍、斬られて候』監督の石井岳龍が、しっかりと構築した上で壊していく宮藤の脚本を絶賛した。
映画『パンク侍、斬られて候』(6月30日公開)は、綾野剛演じる超人的剣客を自称する掛十之進(かけじゅうのしん)を主人公としたコメディ作品。江戸時代、黒和藩に勤めるために、掛は災いを引き起こすとされる新興宗教団体・腹ふり党の討伐を説いたが、腹ふり党は既に解散していた。嘘がばれて死刑を言い渡された掛は、腹ふり党をでっち上げる作戦を思いつくが、その結果、黒和藩に阿鼻叫喚の大惨事が訪れる。豪華役者陣が奇妙奇天烈な世界で暴れ回り、その上ギャグ要素も満載の、ぶっ飛んだ内容の映画となっている。
この映画の脚本を務める工藤がオファーを受けたのは2年ほど前。原作もぶっ飛んだ内容の作品だけに、どのような形で依頼がくるか楽しみにしていたそうだが、石井監督の方針は意外なものだったという。
宮藤官九郎:『パンク侍、斬られて候』の原作を読んでいて、(監督から)どんなぶっ壊れた感じで依頼がくるのかと思ったら、「ちゃんとトラディショナル(=伝統的)な時代劇にしたいんだ。」って言われて、すごくびっくりしたんですよね。結果、原作に忠実になりましたけど。
石井岳龍監督:みんなそう言ってくれますね。原作をリスペクトしているんでね。特に私は、ラストシーンがとっても好きなんですよ。だから前半は、しっかり世界観を構築してもらいたいと思って。
宮藤:なるほど。
石井:で、“宮藤脚本家”はですね……
細川徹(レギュラーゲスト):あはは、“脚本家”って呼び方珍しいな(笑)
石井:“宮藤表現者”はですね。すごくしっかりした(脚本の)構築をされるんですよ。構造がしっかりしているというか。
宮藤:ありがとうございます。
石井:この方はね、型を非常によく知っていて、それをぶっ壊すんですよね。だから面白いと思っていたんで、その実力を存分に発揮してもらいたくて。前半は遠慮なく、ガッツリ組んでくださいって(笑)
宮藤:ありがとうございます(笑)
石井:キャラクターの構成も見事でした。緻密なパズルのように組み上がっているんですよ。まぁ、宮藤さんは好きですからね、ぶっ壊すのが(笑)
細川:まぁそのために組み上げているんですもんね。
宮藤:「ちゃんと作ってくれ、俺ぶっ壊すんだから。」っていうことですよ(笑)
しっかりと構築した上で、それを壊していく宮藤の脚本を絶賛した石井監督。ひとしきり褒められると、宮藤は嬉しそうな反応を見せていた。