沖縄県知事選~基地だけの議論でいいのか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月14日放送)に外交評論家の宮家邦彦が出演。沖縄県知事選挙について解説した。

沖縄県知事選に4人が出馬

翁長前知事の死去に伴う沖縄県知事選挙が昨日13日に告示され、30日の投開票に向けた論戦がスタートした。

前宜野湾市市長、佐喜眞淳氏の声。

佐喜眞)対話を通して、県民の思いというものを伝えるべきところにしっかり伝え、県民の生活が全て普天間飛行場の返還、キャンプ・キンザーの返還、那覇軍港の返還。それを全てできるのはこの私しかいないのです。(演説ママ)

続いて、前衆議院議員の玉城デニー氏。

玉城)国頼みではない、ウチナーンチュが誇りある豊かさを築き、イデオロギーよりもアイデンティティーを大事にしようという翁長氏の遺志をしっかりと受け継ぎ、辺野古に新しい基地を作らせない。その意思を明確にして、選挙戦を堂々と戦っていこうではありませんか。

今回の沖縄県知事選挙は2人のほかに83歳の料理研究家・渡口初美氏と、40歳の元IT会社社員・兼島俊氏の4人が出馬している。

飯田)30日の投開票に向けて、2週間余りの論戦が繰り広げられるというところですけれども、宮家さんの注目の点というと?

宮家)外務省で沖縄を初めて担当したのが1989年だったと思います。もう30年くらいになるので、沖縄出身ではないですが沖縄に対する思い入れというのは誰にも負けないつもりです。沖縄のアイデンティティという話がありましたが、文化は独特だし、いろいろな歴史をくぐり抜けてきた人たちですよね。4年に1回知事選があって、民意が反映されていくというのが正しいことだと思うのです。
安全保障の専門家の端くれとして言いたいことはあるのだけれど、選挙ですから両方にコメントしたいと思います。もともと自民党県連の幹事長だった翁長さんがああいう形でオール沖縄とやったことには、大きな意味があると思うのですよ。いまの状況で、新聞では普天間隠しだとかいろいろ言われているじゃないですか。辺野古の議論が無い、と。これは大事なことですから、ある程度議論はしなければいけないのですよ。

基地以外のことにも目を向けて議論すべき

宮家)翁長さんの本当の後継者というのは誰かわからないけれども、デニーさんで行くというのならそれはそれで良いです。しかし、普天間のことも考えて頂きたい。辺野古に新しい基地を作らせないという気持ちはわかるけれど、同時に普天間基地が町のど真ん中にあって、昔は何もなかったけれど人が密集してきたわけでしょう。小学校も近くにあって。あれだけの一等地を返すわけですから、それで裨益(ひえき)する人たちもいるわけですよね。全体のバランスを決めるのが沖縄の選挙ですから、基地の問題だけが争点なのかと。沖縄の人口が増えていて経済が良いですから、沖縄の経済的な面も含めて新しい在り方を考える良い時期なので、基地の問題だけでなく幅広く他のことも議論しなければならない。その意味で、どっちもどっちだなと思います。

飯田)確かに地図を見ると、沖縄本島、那覇の北側のくびれて狭くなっているところのど真ん中に普天間基地があるのですね。だから那覇までも近いし、人がたくさん住んでいるわけで、あそこがもし返還されるということになると経済効果は相当大きいですよね?

宮家)大きいですし、まとまった土地ですからいろいろな使い方ができる。もう既に様々な計画ができていると思いますけれど、辺野古の話をするなら普天間の話もしなければいけない。普天間をどのように利用するのかということ。しないのか、小学校を横に置いておくのかという話まで行くべきだと思います。

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