沖縄県知事選~翁長氏が引退表明をしなかった理由
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月23日放送)ジャーナリストの鈴木哲夫が出演。9月30日に投開票の沖縄県知事選挙について解説した。
混迷する沖縄県知事選~各陣営の思惑は
来月30日に投開票の沖縄県知事選に立候補する意向を示している、自由党幹事長の玉城デニー衆院議員は、昨日那覇市内で記者団に対し、「まだもうちょっといろいろ相談しながら考えなければいけない」と述べ、出馬表明を先送りする考えを示した。
飯田)自公両党は、推薦する沖縄県宜野湾元市長の佐喜眞淳さんの勝利へ向けて連携していくことを確認しています。なかなか玉城さんは正式に出馬表明しませんが、揉めているのでしょうか?
鈴木)基本的には翁長さんがやってきたオール沖縄の形で戦う、これが基本路線ですよね。
そして、最後には「オール沖縄の形で結束できるような候補かどうか?」となってくるのです。翁長さんが亡くなりましたが、この前の県議会の前に、「体調も含め引退表明して、何か後継者指名をするのではないか」と。現職議員の名前も上がっていて、そういう話が永田町に流れたのですよ。
ところが、蓋を開けてみると翁長さんは引退とも言わず、県議会も普通に行った。そして、病に倒れた。最後まで「引退する」と言わなかったのです。よく「弔い選挙」と言いますよね。亡くなった後、後継者が頑張って選挙をやる弔い選挙。結束も強いし思いも強いから、よく勝つのですよ。やはり有権者も思いを寄せるのでしょうね。
当時からオール沖縄と言われていた組織は、少し結束が緩み始めていましたよね。離れていった人もいたりしました。
飯田)経済人の方々ですよね。
鈴木)そういうこともあるから翁長さんは、「引退すると最後まで言わずにそのまま倒れることで、もう1度弔い選挙へ向けて結束を強めようとしたのかな」と話す沖縄県議員の人もいました。
だから、その流れで動いていると思いますが、なかなか候補の名前が挙がってこない。「音声がある~」という話で、玉城さんの名前が出てきましたけどね。
共産党も含め、調整が必要なオール沖縄~自公は重鎮が常駐する気構えで沖縄入り
鈴木)1つポイントとなるのは、玉城デニーさんの場合、自由党でしょう。小沢さんと会って話をしたそうですが、彼が辞めるとなると、政党要件で考えると自由党は人数がギリギリだから、抜けた後どうするのか問題がある。それから、オール沖縄側が、全員玉城デニーさんを支持するか。オール沖縄は大勢いますから、共産党とかも全部ある。そういうのもひっくるめて、「玉城さんで行こう」となるのか? いろいろなところで調整が必要なのです。
飯田)「後継指名をしたとされる音声データが果たして本当にあるのか」とか、県議のなかの会派おきなわが「それを聞かせて欲しい」と言ったら、「それは聞かせられない」と言われたそうですね。
鈴木)「遺族の意向だから~」とね。でも、こういう部分で揉めていることこそ、翁長さんは残念がっていると思います。その辺をオール沖縄ということで行くのであれば、もう少しスピードを速めて欲しい。
そんなに時間はかからないと思いますが、その辺の調整が今後どうなるかがポイントです。
一方、自民・公明です。今週から自民党の選挙対策の重鎮などが、1、2カ月沖縄にいるくらいの気構えで沖縄入りしました。
飯田)常駐して、ですか。
鈴木)公明党は新潟の県知事選での自公連携。「あれをもう1度」と、最大の支持団体幹部がすでに沖縄入りしているとか、かなり力を入れてきています。ここでまた自公が負けると、埋め立て基地問題も含めて、政権の大きな課題になってしまいます。だから、必死です。そういうことを考えると、翁長さんの後継者を早く決めて一本化して、オール沖縄の体制づくりが急がれますね。もう少し時間はかかるかもしれません。そういう、いろいろなことの調整が必要になってくるということです。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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