25年も危険性が先送りになって普天間は運用し続けている

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月16日放送)に元航空自衛官で評論家の潮匡人が出演。普天間飛行場の辺野古移設問題について、県と国の行政について解説した。

気象状況だけでなく知事選を視野に入れての延期

アメリカ軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をめぐり、政府は明日予定していた埋め立てのための土砂投入を延期する方針を固めた。台風の接近などで、予定通りの作業ができないことが理由。

飯田)埋め立てや土砂投入の問題については、「埋め立ての認可を撤回する」というのが沖縄県側からも出ていて、それを睨みつつ、ということになるのでしょうか?

潮)くわえて言えば、もちろん知事選の日程も睨んだということになると思います。そう見て良いのであれば、名実ともに政治的な動きとなります。
したがって、県側も政府側も、仮に知事選を睨んだ判断・駆け引きということであれば、本来、行政府としてそのような考慮をすべきなのか。原点に立ち返って徹底的に反対するなり、粛々と手続きを進めるなりが本筋です。いまの動きは例えば逆に政府側に立ったとしても、問題を文字通り先送りした結果、新たに選ばれる知事に判断がすべて期待されていくとすると、それは新県政にとって、かなり大きな課題をあえて国が作っている、となりかねないわけです。あまりそのような形で、まさに政治問題化していくのもどうかと思います。

25年も先送りになって普天間は運用し続けている

飯田)そもそも、この問題は「普天間飛行場がとても危険な飛行場である」ということですね。「沖縄国際大学にヘリコプターが落ちたこともあった。その危険性を除去するためにどうするか?」という部分から始まったはずが、25年も先送りになって、その間普天間はずっと運用し続けているわけですよね。

潮)そういうことです。別のニュースでもオスプレイの話題がありましたが、オスプレイ問題があるたびに、こういうプロセスについてもネガティブに作用していくわけです。しかし、本筋に戻るとそもそも危ない基地云々から始まっている話なのです。だからこそ粛々とプロセスを進めるべきというのが、少なくとも防衛省のスタンスであるべきだと思います。

このままでは名実ともに問題を先送りする「姑息な対応」となってしまう

飯田)政府側の主張を突き詰めると、そうですね。
ということは、例えば情勢を世論調査して、どちらかが「有利だ」と出ると、それでまた動くみたいなことに?

潮)そうなってしまうと、ますます「そういうことで決めていいのか?」ということになってしまいます。さらに踏み込めば、いわゆる保守系については分裂選挙になる見通しも報じられているわけですから、その辺をどういう政治判断でやるのか。こうした延期と言っていますが、問題を先送りしているわけで、本来の意義における「姑息な対応」とはそういう意味なのです。「問題を先送りすること」を「姑息」と呼ぶ。名実ともに「姑息な対応」はどうかな、と思います。

飯田)現状、保守系となると、自民党は普天間のある宜野湾市長の佐喜眞淳氏を推すようです。一方で、元沖縄観光コンベンションビューロー会長だった安里繁信氏も立候補を表明しています。そして、革新側。オール沖縄側はまだ候補者が決まっていない形です。

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