オスプレイ緊急着陸で大騒ぎに疑問を感じる

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月16日放送)に元航空自衛官で評論家の潮匡人が出演。オスプレイが緊急着陸した問題について、本当に注目すべき点について解説した。

緊急ではあるが、着陸そのものは手順を踏んだ安全な着陸だった

アメリカ軍の普天間飛行場所属の輸送機オスプレイが、鹿児島県奄美空港に緊急着陸したことについて、小野寺防衛大臣は「警告灯が点灯したため、予防的に着陸した」とアメリカ側から説明を受け、安全管理を徹底するように申し入れたことを明らかにした。

飯田)これに関してTwitterなどでご意見を伺っています。ヤスさんという方から。「オスプレイはアメリカでは大統領をはじめ、要人輸送に使われているのでは?」と。だから、安全性の面についてよく言われますが、実際はどうなのですか?

潮)大統領のいわゆる「専用機」としては指定されていません。「だから実は危ない!」と逆に陰謀説の根拠の1つにもなっています。しかし、そうではなく、大統領が移動する際は戦争やその他万が一のことを考え、「そうした秘匿の回線がきちんとあるか?」などを考慮して、例えば○○機種とか××車両とか、指定されているのです。オスプレイの場合、その点では適していないというだけのことです。取り立てて、「この機種だけが安全性に問題がある!」というわけではありません。
今回も、警告灯が点滅したから、手順に従って着陸しました。だから、そもそも取り立てて、大騒ぎするような出来事だったのか。私としては、逆に疑問を感じています。

注目すべきは着陸そのものではなく警告灯が点滅した理由について

飯田)奄美や、先日は嘉手納基地でも緊急着陸がありました。それも、「緊急車両が駆けつけた!」と報道がされていましたが、どう思いますか?

潮)緊急で着陸しているわけですから、緊急の車両がスタンバイするのは、これも手順に従った当然の対応になります。
実は大きな問題があるとすると、「なぜ警告灯が点滅したのか?」です。例えば、エンジンの不具合を知らせていた、とか。そちらの方が、より重要な究明すべき問題です。そこを吹き飛ばす形で大騒ぎしても、空騒ぎで終わってしまうのではないかな。「原因が何だったか」に応じて、「これなら別に大したことではないな」となるか、「いや、同じ機種を導入しようとしている我が国の自衛隊の問題にもなる。ここはきちんと究明していかなければいけない」となるのか。そこは原因によると思います。

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安全を優先しすぎると有事に備えての訓練は行えない

飯田)その意味では、調査を待たないと何も言えないということですよね。これ、一時期不時着などが相次いだときに、「朝鮮半島の情勢をにらみ、厳しい訓練をしているのでは?」みたいな声もありましたが、どうなのですか? 訓練によって、というのはあるのですか?

潮)基本的に軍隊はどこであれ、訓練をすることが戦争に次ぐ仕事です。毎日戦争をするわけではないですから、日々のいちばん重要な仕事となります。当然、いざ有事のことを考えると「厳しい、ギリギリの訓練をする」というのが軍隊の特質の1つですから。安全管理の徹底を我が国として申し入れる姿勢自体が間違っているとは思いませんが、日本の自衛隊であれ、安全第一であれば、有事の対応に問題が生ずる、ということですから。どこまでの訓練を追求すべきかも、今回の事故を受けて言えば、「そもそも何が原因で警告灯が点滅したのか」というのが最重要な問題になってくると思います。
一方で、私はかつてそういう仕事もしていました。意外と今回のような警告灯というのは誤作動があったりもするし、当然ですが「問題があるときキチンと反応する」方が重要なことですから。「しょっちゅう点滅する」自体を取り上げて問題視するのも、間違えていると思います。

飯田)結果として、何かが起きたわけでも、墜落したわけでもない。ある意味、安全な手順通りに行ったわけですよね。

潮)そうです。安全管理を徹底しているからこそ、手順に従って着陸している。そういう風に見た方がいいと思います。

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