自民党総裁選~石破氏が劣勢を跳ね返すために必要なこと

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ニッポン放送「飯田浩司のOK!Çozy up!」(8月13日放送)にジャーナリストの末延吉正が出演。自民党総裁選について解説した。

自民党総裁選、安倍総理が出馬へ、6年ぶりの選挙戦

今月10日に石破茂元幹事長が、そして11日に安倍総理大臣が山口市で開かれた党山口県連の会合で総裁選に出馬する意向を示したことで、自民党総裁選は総理と石破氏の一騎打ちの構図がほぼ固まった。

飯田)前回3年前は無投票ということで、2012年以来6年ぶりの総裁選になります。安倍総理が国会議員票では相当固めているという報道も出る一方で、石破さんの会見について分厚く報じるところも多いです。

末延)安倍政権になってメディアを分断しましたよね。

飯田)メディアを分断した。

末延)いわゆる左派リベラル系、A紙とかM紙とか。
ここはもう、なんとか石破さんの方でということですね。目があるとしたら党員票だという書き方をしています。ひたすら朝日新聞が攻め続けた野党とこの森加計問題、そこを意識してつけばいいという感じですけどね。新聞の見出しを見ましたが、石破さんが言っているのは「正直・公正」それから、「信頼回復」。いかにもあてつけのキャッチフレーズ。それから岸田派について、「そういう奴は冷や水だ」というのは許されないというようなことを言ったけど、総裁選というのは権力闘争です。生徒会長の選挙やっているわけじゃないから。

飯田)はい。

思い切りの足りない石破氏

末延)石破さんが思ったほど、好意的には受け止められてないですよね。スケール感が出ない。一国の実質総理を選ぶ選挙で議員票の8割弱、7つの派閥の内5つを固められても、自分はもう準備してきたと言うのだったら、もう少し思い切ってほしいですね。私も石破さんの出された本とか月刊誌の論文読みましたが、日本をどうするのか、マクロ経済政策も外交も伝わってこないのが残念だなと思います。

飯田)6年前の選挙で惜しくも敗れた石破さんの、6年間の準備の集大成がここに出るのかなと思って、僕もその金曜日の会見を見ましたが、なんだか野党が言っているのと同じことを言っているように思ってしまいました。

末延)惜しいですよね。いい人で、答弁能力もあるし。でも悪く言う人は、後付けの解説をあの独特の言い方でする「解説おじさん」だと言っています。
あのじっくり話すのはなんとなく愛嬌があって、敵はできないですが、よくよく中身を見ると6年本当に積み上げたのかどうも見えて来ない。そこが残念ですね。

飯田)これからの選挙戦で徐々に出て来たりするのかなとも思いますが。

何をどうするのか~独自の政策方針が伝わらない石破氏

末延)中国とどう対峙するのか協力するのか? 日米同盟は? ロシアは? 北方領土は? 沖縄は? この辺がよくわからない。過去の実績で大臣などされているしよく勉強されて、しっかりしているのですよ。法学部出身で、司法試験を目指したこともあるくらいの方だから勉強家です。戦術は凄く技術的な面が強いのでしょうが、国の総理を目指そうというのであれば、もっと俯瞰して、夢と希望とばかり言いませんが、その辺の見えないところをこれから石破さんはどうフォローするのだろうかと思います。

飯田)あの会見を見ていて、翌日の新聞の見出しは何を取るんだろうなというところが、いまひとつ見えませんでした。

末延)かつて小泉さんが、田中真紀子さんと組んで劣勢を跳ね返した。あのときの小泉さんは中身はともかく、キャッチフレーズは「自民党ぶっ壊す」ですから。

飯田)そのキャッチフレーズだけで、信じちゃいけないのですが。

末延)ポピュリズム精神の極みで僕は批判的なのですが、「アベノミクスはだめだ」とか、「格差を固定化した」とか、「私のマクロ経済はこれだ」とか、これだけの劣勢でチャレンジするなら、もっと思い切りの良さが必要だと思います。安倍総理の政治に不満な人も多いわけだから。そこは言ってもらいたいなと思います。

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