沖縄知事選~翁長氏亡き後、沖縄県民はどのような判断を下すのか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月10日放送)に外交評論家の宮家邦彦が出演。沖縄県が辺野古埋め立ての承認を撤回したことについて解説した。

沖縄県が辺野古埋め立て撤回~聴聞もこの日で終了

アメリカ軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画をめぐる問題、沖縄県は昨日、辺野古沿岸部の埋め立て承認の撤回に向け、防衛省、沖縄防衛局から意見を聞く聴聞を実施した。今月8日に亡くなられた沖縄の翁長雄志知事は7月27日に埋め立ての承認を撤回すると表明をしており、沖縄県は政府が埋め立て予定海域へ土砂の投入を予定していた今月17日より前に、正式な撤回を目指す方針だ。

飯田)聴聞ですが、防衛局側としてはもう少し話を聞いてくれと要望もしましたが、打ち切ることも表明したということでした。手続きは終結したようです。元々は普天間飛行場が危険な飛行場だからここは閉めるべきだというところから始まったんですよね。

宮家)もう20年近いのではないですか。僕が担当していたこともあるくらいですから。あの時から、普天間はもう密集地でした。最初は周りに何もなかったのが、アメリカが良いところを取ってしまうからどんどん人が近付いてきた。
亡くなられた翁長さんは元々は保守だった。それが態度が変わられて、選挙に勝たれた。彼からすれば道半ばですよね。
これで選挙9月に前倒しになるという話です。そうなると、この聴聞、撤回のこの全体の動きというのは、どういう意味を持つのか。選挙の前にやるのも一つの判断、意思を継ぐんだというのも判断だろうし、いや知事が変わられるのだから、この問題は少し凍結して、知事選の結果を見てから、という考え方もあるでしょう。それは沖縄県民、沖縄県庁が決めることですが。

沖縄県の安全保障を県民がどう考えるか

宮家)2週間前に沖縄に行きました。恥ずかしながらなるほどなと思ったのですが、外国人の旅行者が何百万も来るのだそうです。格安航空会社と大きな客船が止まっていましたが、あれで300万人来るのだと言っていました。昔はね、10万人来ればいいと言っていたのだけど、300万ですって。人口も以前は100万というイメージでしたが、いまは140万人です。増えている。地方は下手したらシャッター通りじゃないですか。沖縄は物凄く活気があります。県民の生活が向上して良いことだと思うのですが、同時に、普天間を含む米軍基地を抱えている。これを県民がどのような判断をするか非常に関心があります。やはりしっかりとした議論をして欲しいですね。撤回云々の話もあるけれども、この選挙戦が非常に大きな意味を持つだろうと思います。
沖縄県はいろいろな歴史を経て現在に至っているわけです。昔は王国でもあった。そういう意味では彼らにも彼らの安全保障観というのがあって然るべきだと思っています。琉球王朝があの時どうして独立できたかと言えば、当時の清国…中国も鎖国をしていて、日本も鎖国をしていた。その真空状態のところに出てきたのだけれど、いまはそういう状況では必ずしもないので、沖縄県民1人1人が沖縄の安全保障という観点から、どちらがいいのか判断してほしいですね。今回の知事選は非常に大事な選挙だと思います。

保守とオール沖縄の関係がどうなっていくか

宮家)あともう一つ言えることは、翁長さんは元は保守ですからね、保守が割れていたわけですよ。それがどうなるのかというのも非常に関心があります。そういう形は一種の捻じれだから、その捻じれが解消するのか、それともこれが新しいトレンドになっていくのか、これも次の選挙で見えてくるのかなと思います。

飯田)確かに亡くなる前でしたが、今年の4月5月くらいにオール沖縄という結集のなかの保守に近い財界の方々というのは、いったん外に出て翁長さんを支持するという立場を表明したりしましたからね。

宮家)そこは非常に複雑で、それは県内のポリティクスですから良いのですが、ここはね、これからするべきことだと思います。

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