10月12日(金)、パラスポーツを応援する東京都主催のイベント『BEYOND FES丸の内』が東京・丸の内で開幕した。
このイベントは、パラスポーツを応援する人を増やす東京都のプロジェクト「TEAM BEYOND」の一環として行われ、丸の内を舞台に、パラスポーツにまつわる様々なステージ、体験、展示が楽しめる10日間の催しとなっている。
初日である12日(金)には、女子レスリングオリンピック3大会連続金メダリストの吉田沙保里選手、陸上競技パラリンピック銀メダリストでスノーボード競技でもパラリンピックに出場した山本篤選手、カヌー競技パラリンピアンで2020年に向けて注目度上昇中の瀬立モニカ選手らが、オープニングステージに出演した。
このイベントの司会を務めたニッポン放送 新行市佳アナウンサー、師岡正雄アナウンサーから、今回のイベントテーマ「ドラマチック・パラスポーツ」にちなみ、「競技で体験したドラマチックな出来事」を問われると、まず山本篤が、絶好調で迎えた2015年世界選手権で競技直前のウォーミングアップで腰をケガし、出場できるか危ういなか、まさかの優勝を遂げた体験談を語った。競技後は表彰式前後も痛み止めを使用しつつ車椅子移動となってしまうほどのケガだったが、競技への集中とアドレナリンで何とか困難を乗り越えたといい、その常人離れしたエピソードに、吉田、瀬立も思わず感嘆の声をあげた。
次に瀬立モニカは、レースの外で体験したエピソードを紹介した。リオで初めてのパラリンピックを経験した瀬立は、それまでの大会とは全く異なるパラリンピックという大舞台に、非常に緊張し体が思うように動かないほどだった。そんな中、地元リオの観客からレース直前にモニカコールが起き、緊張を忘れ感動したという。レース後には大会ボランティアから現地で人気のキャラクターだという「モニカ人形」と手紙までプレゼントされ、さらに感動しパラリンピックという舞台の存在感を改めて心に刻んだという。
そして、最も多くの大舞台を経験してきている吉田沙保里は、リオオリンピックの決勝を挙げた。いつもは聞こえているという母の声や会場の音、そしてセコンドを務めるコーチの声すらも聴こえなかったという。試合中は余裕もなかったため、意識することはなかったが、今から思えば、焦っていたのか、「ゾーン」の逆のような状態に陥っていたのだという。
3選手ともに、そんなドラマチックなスポーツ、そして各競技の魅力を、1人でも多くの人に、会場に足を運んでもらい生で感じてほしいとアピールした。
トークセッションの後は、パラスポーツの魅力を伝えるべく、吉田沙保里&新行市佳アナペア 対 山本篤&瀬立モニカペアによる1エンド限定のボッチャ特別対決が行われた。
超一流アスリート同士(+アナウンサー)による接戦になるかと思われたが、“霊長類最強女子”こと吉田沙保里がボッチャでもその勝負強さを発揮し、1投目から目標となるボール(ジャックボール)に自チームの青ボールをピタリとつけるスーパープレー披露。
山本、瀬立も惜しい投球は見せたものの、吉田を脅かすには至らず、最後は仲間である新行アナの投球にも軽いプレッシャー(?)をかけるほどの余裕を見せ、吉田・新行ペアが勝利した。
13日(土)以降も、「BEYOND FES丸の内」は、丸ビルや丸の内仲通り等で開催され、パラスポーツの体験会やブース出展、パネル展示など様々な形でパラスポーツの魅力に触れることができる。
ニッポン放送も、2014年から放送中のパラスポーツ応援番組「ニッポンチャレンジドアスリート」の公開収録を13日(土)13時30分から丸ビル1階マルキューブで実施する。ゲストには、世界選手権で金メダルに輝き話題のウィルチェアーラグビー日本代表からエースの池崎大輔選手(三菱商事)を迎え、新行アナウンサーがその素顔に迫る。(入場無料、事前予約不要)
またニッポン放送1階ではパラアスリートの魅力を伝えるパネルの展示も行う。(平日のみ)
【ニッポンチャレンジドアスリート公開収録 概要】
■日時 2018年10月13日(土)13時30分~
■会場 丸ビル1階 マルキューブ(千代田区丸の内2-4-1)
■司会 新行市佳アナウンサー(ニッポン放送)
■ゲスト 池崎大輔選手(ウィルチェアーラグビー日本代表、三菱商事所属)
■備考 入場無料、予約等不要
【BEYOND FES 丸の内 概要】
■期間 2018年10月12日(金)〜10月21日(日)
■会場 東京駅・丸の内仲通り周辺
■公式サイト https://www.para-sports.tokyo/fes/2018/
■主催 東京都
■後援 千代田区、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会
■協力 渋谷区、「TEAM BEYOND」企業・団体メンバー