吉田沙保里、伊調馨とも戦った! インド人レスリング選手の逆転サクセス・ストーリー『ダンガル きっと、つよくなる』

By -  公開:  更新:

【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第387回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、4月6日から公開となる『ダンガル きっと、つよくなる』を掘り起こします。


娘をレスリングの金メダリストに…。暴走パパと二人の娘の強烈スポ根ムービー


誰よりもレスリングを愛する男、マハヴィル。彼はインド国内のチャンピオンまで上りつめたが、生活のために引退。いつか自分の息子を金メダリストにすることを夢見ながら、道場で若手の指導に励む日々を送っていた。

ところが生まれてきたのは、娘、娘、娘、娘。すっかり意気消沈し、道場からも遠ざかってしまったマハヴィルだったが、ある日、ケンカで男の子をコテンパンに打ち負かした長女・ギータと次女・バビータの格闘センスに希望を見出し、二人をレスリングの世界で成功させるべく、コーチとして鍛えることに。

一家は町中の笑いものになるが、父の信念は曲がらない。そんな父にささやかな抵抗を続ける娘たちだったが、やがて目覚ましい才能を開花し始める…。


父の夢をまとった姉妹がレスリングで世界に羽ばたく壮大な逆転サクセス・ストーリー『ダンガル きっと、つよくなる』。この邦題を見てピンと来た人は、かなりのインド映画通ですね。私も「ウマいタイトルだなぁ〜」と、思わずニヤリとしてしまいました。アーミル・カーンが主演ということで、彼の存在を日本中に知らしめた大ヒット映画『きっと、うまくいく』にあやかったのでしょうか。

インド映画世界歴代興行収入史上No.1を記録した規格外のスポ根ムービーが、ついに日本上陸です。


本作は、レスリング一直線な熱血パパと二人の娘たちの実話を元にしたもの。「巨人の星」の星一徹を彷彿させるような過酷な特訓を強いる父の猛烈ぶりに圧倒されながらも、そこはインド映画。「やめて、父さん。私たち、身体こわすわ♪♪」という、娘たちの本音とも取れる歌詞を軽快なメロディーに乗せて鬼の特訓シーンを描くなど、ユーモアを交えて展開していきます。

そんな頑固一徹な父を演じるのは、ボリウッドのトップスター、アーミル・カーン。レスリングの現役選手だった若い頃から50代までを演じるために、体重を70kgから97kgまで増やすという過酷な肉体改造を行い、主人公を熱演しています。近年、主演作では『ガジニ』(2008年)『きっと、うまくいく』(2009年)『チェイス!』(2013年)『PK ピーケイ』(2014年)と、インド映画の全世界歴代興行収入1位を記録してきたアーミル・カーンですが、本作でも『PK ピーケイ』が持つ記録をあっさり塗り替えるほどの大ヒットを記録。まさに映画大国インドの最高峰のヒットメーカーと呼べる存在です。

そして本作も、自身の主演作である『PK ピーケイ』が持つ記録をあっさりと塗り替えるほどの大ヒットを記録しました。


ギータとバビータはともに、吉田沙保里選手や伊調馨選手をはじめ、多くの日本人選手と対戦。また姉のギータはインドの女子選手として初めて、2012年のロンドン・オリンピックに出場を果たました。

インドでは女性は適齢期になると半ば強制的に結婚させられ、将来が決められてしまう風習が、いまだ根強く残っています。しかし本作の主人公であるマハヴィルが火付け役となり、インドでは何千人もの少女がレスリングを始め、明日のギータやバビータを目指しています。

インドの因習や挫折、世界の壁といった、いくつもの限界を親子で乗り越えていく姿は、観る者に爽やかな感動を与えることでしょう。


ダンガル きっと、つよくなる
2018年4月6日から全国ロードショー
監督:ニテーシュ・ティワーリー
出演:アーミル・カーン、サークシー・タンワル、ファーティマー・サナー・シャイク、サニャー・マルホートラ、アパルシャクティ・クラーナー、ザイラー・ワシーム、スハーニー・バトナーガル ほか
©Aamir Khan Productions Private Limited and UTV Software Communications Limited 2016
公式サイト http://gaga.ne.jp/dangal/

八雲ふみね,しゃベルシネマ

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

Page top