ニッポン放送「ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町」(日曜朝5時~)で、おススメの最新映画をご紹介しているコーナー『サンデー早起キネマ』。6月16日は、自分の真っすぐな思いを屈することなく貫き通す主人公に圧倒される3本をご紹介しました。
その1本は、名優アンソニー・ホプキンスが演じる実在の人物ニコラス・ウィントンの愛と苦悩の物語
『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』
オスカー・シンドラーや杉原千畝のように、ナチスからいくつもの命を救った方がイギリスにもいたことをご存知ですか? 私はこの作品で初めて知りました。
ロンドンで株の仲買人として働いていたごく普通の青年ニコラス・ウィントンが、どのようにして699人もの子供たちを救出できたのか?
それだけではありません。なんとニコラスは50年後、その子どもたちと驚きの再会を果たしたのです。
企画が立ち上がってから15年の時を経て、ついに映画化が実現しました。
物語の始まりは1938年、第2次世界大戦の直前。オーストリアとチェコのズデーテン地方を占領したナチスから逃れた大勢のユダヤ人難民は、プラハにたどり着き、寒さと飢えに震えていました。
そんな悲惨な状況を目の当たりにしたニコラスは、子供たちだけでもイギリスに避難させられないかと考え、同じ志を持つ人たちとチームを組み、里親探しと資金集めに奔走します。
ナチスの侵攻が迫る中、次々と子供たちをイギリス行きの列車に乗せるニコラスたち。しかし、遂に開戦の日が!
それから50年……ニコラスは救出できなかった子供たちのことが忘れられず、自分を責め続けていたのです。そんな彼のもとに、BBCからTV番組「ザッツ・ライフ!」の収録に参加してほしいと連絡が入ります……
物語の現在である1988年のニコラスを演じたのはアンソニー・ホプキンス。本当にすごい俳優さんです。あの佇まいと背中に、ニコラスの人生が確かに見えるのです。
若き日のニコラスには、『ブルックリンの恋人たち』のジョニー・フリン。50年後のアンソニー・ホプキンスに繋がるように、彼の動きやリズムを研究したそうです。
アンソニー・ホプキンスは「私たちが忘れることのないよう、この映画がメッセージを届けてくれることを願っています。人間はあまりに早く忘れてしまいますから」と話していますが、戦争が続いている今だからこそ、ご覧頂きたい作品です。
思い立ったらなんらかの行動を起こす!……普通の人にもできることがある、そして、今は必ず未来に繋がっていくということをこの作品は教えてくれます。
ドキドキハラハラの救出と最後は号泣必至! 人間の温かな心と無償の愛が生み出した未来を描く希望の物語を是非、劇場の大スクリーンで!
『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』
6月21日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほかにて全国ロードショー
監督:ジェームズ・ホーズ
脚本:ルシンダ・コクソン ニック・ドレイク
出演:アンソニー・ホプキンス ジョニー・フリン レナ・オリン ロモーラ・ガライ アレックス・シャープ マルト・ケラー ジョナサン・プライス ヘレナ・ボナム=カーター
2023年/イギリス/英語/109分/カラー/ビスタ/原題:ONE LIFE/字幕翻訳:岩辺いずみ/G
提供:木下グループ 配給:キノフィルムズ
公式サイト:https://onelife-movie.jp/
(C)WILLOW ROAD FILMS LIMITED, BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2023
番組情報
日曜日の朝5時から7時まで、 ひろたみゆ紀 がお送りする2時間の生放送。それぞれの朝、何かをしながらラジオに耳を傾けて頂けたら嬉しいです。あなたの日曜日の朝が、少しでも、温かく、優しく、爽やかでありますように……新しい1週間の始まり!どうぞお付き合いください。