ニッポン放送「ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町」(日曜朝5時~)で、おススメの最新映画をご紹介しているコーナー『サンデー早起キネマ』。5月5日は、それぞれの時代に生きる人間の内面と真実に迫る3本をご紹介しました。
その1本は、50年の時を経て今明かされる、ジョン・レノンの18カ月間の“失われた週末”の真実の物語『ジョン・レノン 失われた週末』。
“ビートルズ以降の人生における無謀な最低点”という烙印を押されてきた“失われた週末”。スキャンダルやゴシップの類として知られるジョンとヨーコが別居していた18か月の日々のこと。ビートルズファンの方、当時の音楽に詳しい方はご存知だと思います。その時期、ジョンはどこで、誰と、どんな生活を送っていたのでしょうか?
このドキュメンタリーは、ジョンとヨーコの元・個人秘書だった中国系アメリカ人のメイ・パン自身が語った物語です。彼女こそ、“失われた週末”をジョンと一緒に過ごしていたその人なのです。
1950年生まれ、移民二世としてニューヨークのスパニッシュ・ハーレムで生まれ育ったメイは、22歳の時、10歳年上のジョンと付き合うようになります。その後18か月に渡って。
当時、ベトナム反戦運動のカリスマだったジョンを、ニクソン大統領をはじめとするアメリカ政府が警戒。FBIの監視、電話の盗聴などに悩まされ、ダコタハウスに引っ越します。ナーバスになっていたジョンとヨーコの結婚生活は、当然、不安定になります。
ああ、それで不倫関係になったのね……と思いきや、えーーー!? ウソっ! という驚くべき真実が語られるのです。
そして、ジョンはメイを連れて、ロサンゼルスへ! “失われた週末”の始まりです。その日々がどういうものだったのか、メイの言葉と当時の写真や動画、ジョンが描いたイラストなどが雄弁に語ってくれます。
私はまったく知らなかったので、うわぁ~! と口が開いたまま、あっけにとられてしまいました。メイとの18カ月間は、失われてなどいなかったのです。
メイはこう話しています。「世間は真実を知る必要があり、私はそれを伝える必要があると感じた。私の人生の物語は、偶然にもジョンのソロキャリアの中で最も多作で、成功し、興味深い日々と一致している」と。
それは、年表を見れば一目瞭然。多くの方にこの真実を、メイの存在を知って欲しいと思いました。
息子のジュリアンのインタビューがとても印象的で、2人の様子を見ていると、幸せなひと時だったのだと実感しました。
たら、ればの話ですが、あの時、ジョンがヨーコの元に帰らなかったらどうなっていたのか……と思わずにはいられません。
『ジョン・レノン 失われた週末』
2024年5月10日(金)より
角川シネマ有楽町、シネクイント、新宿シネマカリテ、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次ロードショー監督:イヴ・ブランドスタイン、リチャード・カウフマン、スチュアート・サミュエルズ
出演:メイ・パン、ジョン・レノン、ジュリアン・レノン、ポール・マッカートニー、デヴィッド・ボウイ、エルトン・ジョン
2022年/アメリカ/英語/94分/カラー/1.85:1/5.1ch 原題:The Lost Weekend:A Love Story 字幕:松浦美奈 字幕監修:藤本国彦
配給:ミモザフィルムズ
公式サイト:https://mimosafilms.com/lostweekend/
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番組情報
日曜日の朝5時から7時まで、 ひろたみゆ紀 がお送りする2時間の生放送。それぞれの朝、何かをしながらラジオに耳を傾けて頂けたら嬉しいです。あなたの日曜日の朝が、少しでも、温かく、優しく、爽やかでありますように……新しい1週間の始まり!どうぞお付き合いください。