上原が巨人再契約 背番号「19」への想いとは?

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話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。本日は、巨人との再契約が決まった、上原浩治投手のエピソードを取り上げる。

 

上原が巨人再契約 背番号「19」への想いとは?

プロ野球 巨人―中日 6勝目を挙げた巨人先発の上原浩治投手 =東京ドーム 2008年10月05日 提供産経新聞

「今朝の新聞に出てる通り、来年もジャイアンツにお世話になります」
「色んな意見があるのは承知ですが、応援してくれると嬉しいです」
(上原浩治Twitterより)

今オフ、左ヒザのクリーニング手術を受け、球団とも合意の上で、巨人をいったん自由契約になった上原。通常の自由契約とは異なり、ヒザの回復具合によっては再び契約するという含みを残したものでしたが、みごと再契約を勝ち取った上原。
44歳になる来季登板すれば、今季自身が塗り替えた、球団史上最年長出場記録(43歳5ヵ月)を再び更新することになります。

上原は今季、10年ぶりに日本球界へ復帰。久々に古巣ジャイアンツのユニフォームを着ましたが、契約の遅れからチーム合流が3月になったため、春季キャンプに参加できませんでした。それがシーズン後半、ボディー-ブローのように効いてきたのです。
今季成績は、36試合に登板し0勝5敗、防御率3.63。上原本人としては不本意な成績でしたが、ヒザさえ万全なら復活できる、という自信があります。すでにジョギングも再開しているそうで、巨人フロントも「必要な戦力」と考えての再契約でした。

そんな上原に、嬉しいプレゼントが。巨人入団時の愛着ある背番号「19」を、再びつけることになったのです。これは、今まで「19」をつけていた菅野が、来季からエースナンバー「18」に変更。空き番になったためです。
今季は「11」をつけましたが、やはり「上原=19」。そしてこの数字には、深い意味がこめられていました。実は上原、大阪体育大学に入る際、浪人生活を経験。アルバイトをしながら受験勉強に励み、みごと合格を果たしたのです。
そんな19歳の日々を忘れないように……ということで、巨人入団時に「19番」を所望した上原。ルーキーイヤーの20勝はいまだに「伝説」ですが、不屈の精神で再契約にこぎつけた今こそ、上原には19番が似合います。

今季、ヤクルトとのクライマックスシリーズ・ファーストステージ初戦。好投してチームの勝利に貢献した上原は、第2戦先発予定の菅野に向けて、こんなゲキを飛ばしました。

 「(あすは)1人で投げきってください」

このコメントを受けて、菅野は翌日の第2戦で、CS史上初のノーヒットノーランを達成。本当に「1人で投げきった」のです。
上原は来季で44歳になりますが、気持ちは19歳。若手に与える影響力も大きく、この再契約はもしかすると、チームにとって「最大の戦力補強」になるかもしれません。

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