ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」（1月10日放送）にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。竹下亘氏のがん公表について解説した。

記者会見する自民党の竹下亘氏＝2019年1月9日午後、東京・永田町　写真提供：時事通信

自民党竹下亘前総務会長～がん公表も派閥会長は続投

自民党の前総務会長の竹下亘衆議院議員（72）が昨日、東京都内で会見し、食道がんのため入院することを明らかにした。入院の時期などは触れず、竹下派の会長職に留まった上で「派閥の運営を集団指導に委ねる」と述べた。

飯田）去年末の精密検査でがんが見つかったと説明したということですが、政治家の方が病気を公表するのは芸能人や一般人とは性質が違うような気がします。

鈴木）政治家は病気だと言って入院した瞬間から、求心力を一気に失うではないですか。だからギリギリまで言いません。少し変わって来たかなと思うのは、いまは入院するとすぐにばれてしまうのですよ。

飯田）SNSとかもありますからね。

小渕内閣第2次改造内閣閣僚名簿　青木幹雄～出典：首相官邸ホームページ（http://www.kantei.go.jp/jp/daijinmeibo/9910kakuryo/14aoki.html）

総裁選の「石破支持」で存在感を示した竹下派

鈴木）「どこで見た」なんて言って。ですのできちんと早めに言った方が良いという空気も出て来ています。ただ、竹下派はこの前の総裁選で石破さんを支持して、多少安倍さんの方と分かれました。

飯田）派内で分かれたということでした。

鈴木）これは織り込み済みで、「参議院のドン」と言われた青木幹雄さんが実は裏で相変わらずコントロールをしています。とにかく総裁選で竹下派の存在感を示そうということで、石破さんを支持しているわけですよ。あのまま安倍さんに乗っかっちゃったら結局埋没するでしょう。

飯田）いちばん遅れて支持を出しましたからね。

鈴木）しかも石破さんということで、毎日のように竹下派の名前が新聞に出ました。これは、存在感を示すという意味では大成功なのですよ。そういう芸当をやれるのが、この竹下さんなのです。だから青木さんは、総裁選の前に竹下さんを会長に変えたところがあります。だから竹下派復権ということで名前を印象づけたことで、ある意味仕事は果たしたと思います。まだ一線から退くにはタイミングが早いし、いずれ青木さんは小渕優子さんを派閥の会長や総裁候補にするというようなイメージを持っているでしょう。
どの程度の症状か、入院期間がどのくらいかわからないけれども、一応一仕事終えて一段落したというタイミングではあるでしょう。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

参院選へ影響は

飯田）参院選などに与える影響はありますか？

鈴木）それはあると思います。と言うのも、竹下派は参議院が強いでしょう。絶対に勝たなきゃいけない選挙だから、竹下派が一致団結しなければならない。竹下派のなかで力を持っている参議院議員が吉田さんという方で、この人は次に出ないと言っています。こういう状況になると、実力者である吉田さんが竹下派としてもう1回出なければならないということに変わって来る可能性もあります。

飯田）集団指導体制に、と言っていますけれど、新聞などには吉田さんの名前も出て、額賀さんや茂木さんで指導して行くような話ですよね。

鈴木）どれもちょっとトップに立つにはね……竹下さんに復帰して貰わないと、という本音はあると思います。

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