党員票が自民党総裁選の焦点と言われている理由~目標は7割のライン
公開: 更新:
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月17日放送)ジャーナリストの須田慎一郎が出演。自民党総裁選の焦点となっている党員票について解説した。
自民党総裁選~週末に安倍・石破両氏が論戦交わす
今週木曜日の9月20日に党開票が行われる自民党総裁選に立候補した、安倍総理大臣と石破元幹事長が昨日テレビ番組に出演した。憲法9条改正や、北朝鮮による日本人拉致問題、北方領土問題を含んだ対露関係などについて、論戦を交わしている。
飯田)週末は両者並んで、地方で街頭演説が行われました。アベノミクスの成果を強調する総理に対して、石破氏は正直な政治の必要性を訴えています。「焦点は党員票である」という話もあります。今朝の読売新聞の1面記事では「総理が51%、石破氏が36%、未定が13%残っている」という党員調査の結果も見出しに出ています。
須田)やはり地方票、党員票をどれだけ獲得するかですね。もちろん、大前提として安倍さんの3回目の当選は確実だと思います。ただ、任期3年を獲得するわけですが、求心力を3年間保ったまま送れるかどうか、地方票によって決まってくると思います。70%が、安倍さんが安定した政権運営を行えるラインですね。
逆に石破さん側から見ると、7割取られてしまうと、「石破さんでは総裁候補としてどうなのか?」と、総裁候補として見通しが立たない烙印を押されかねないのです。
飯田)次がない、ということですね。
須田)次につなげるためには、石破さんは石にかじり付いてでも、5割に近いラインにしなければならない。その点で言うと、党員票の結果は、安倍さんの今後3年間の行方を占うことになります。
ポスト安倍となるだろう岸田文雄氏にとっても党員票の行方は重要な意味を持つ
須田)次に、ポスト安倍についてです。自民党の党則により、総裁任期は3回までと決まっています。泣いても笑ってもあと1期しかない。その後は間違いなく安倍さん以外の人が出てきます。すると、安倍さんが求心力を保ったまま3年間を過ごすとなると、後継指名ということになってきます。100%間違いなく、石破さんにはいかない。おそらく、今回出馬を見送った岸田さんになるでしょう。岸田さんもその後継者指名を見通して、今回の総選挙を見送ったということになります。だから、岸田さんと安倍さんにとって、7割ラインに到達できるかは、大きな意味合いを持ってくると思います。
つまり、「党員票の行方が最大の焦点」というのは、「今後3年間とポスト安倍を占う」という意味でも大きな意味を持っています。総裁選の結果は出ていますが、今後を占うという点では大きな意味のある選挙だと思います。
飯田)地方票がどう出るか、という部分で、安倍陣営の事務総長の甘利明さんは「55%がいいところ」とコメントを出しています。けっこうハードルを下げるようなコメントですね。
須田)ハードルを下げると同時に、3選確実となると陣営が緩んでしまい、なかなかシャカリキにならない。それを締め付ける意味合いがあったのだと思います。
自民党は消化試合状態の総裁選よりも沖縄県知事選挙に重点を置いている
須田)自民党内の重点は「沖縄県知事選挙」です。そちらの方に全部シフトしているのが実態ですから、どちらかというと総裁選は、言いたくはないけれどある種の消化試合みたいな気配もあると思います。
飯田)確かに、与党幹部はこぞって沖縄入りしていますね。
須田)小泉進次郎さんも沖縄入りしている。石破さんとしては進次郎さんの支持を取り付けたいと思っているけれど、なかなか思うようにいかない、という展開になっていると思います。
飯田)ある意味、いい口実みたいになっているところがある。先週辺りの報道では、一応、石破さん支持を明確にした竹下総務会長も沖縄に張り付いているとか。「本当は竹下さんや派閥に組織票をして欲しかったと、石破陣営は歯ぎしりをしている」という記事もありました。
須田)あまり本気になって動いていないのです。もともと竹下派で石破支持の参議院は、「前回の参議院選挙で青木さんが受けた借りを返す」という意味合いですからね。
飯田)以前、青木幹雄さんの息子である一彦さんが合区の鳥取・島根の選挙区で選挙をしました。そして、鳥取といえば石破さんです。
須田)石破さんの協力が得られて党員になれた。その借りですから、本気になってやるかというと、そうではないと思います。
飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00
番組情報
忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。