安倍総理が出馬表明を鹿児島で行った理由

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ニッポン放送「須田慎一郎のOK! Cozy up!」(8月27日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。なぜ安倍総理は総裁選出馬表明を鹿児島で行ったのか解説した。

安倍総理、自民党総裁選出馬宣言で石破氏と激突決定

自民党総裁の安倍総理大臣が、昨日、視察先の鹿児島県で総裁選への立候補を正式に表明したことで、先に出馬を明らかにしていた石破茂元幹事長と6年ぶりに選挙戦を行うことが確実となった。
一方で、野田聖子氏は昨日講演会で、「私は絶対に諦めない」と立候補に含みを持たせたものの、関係者が見送りを説得している。

新行)このニュースに関してメールをいただきました。横須賀市にお住まいのカンナさんからです。「自民党総裁選で安倍総理大臣が鹿児島で出馬宣言したそうですが、現代版の薩長同盟を意識したのでしょうか。少し勘ぐりすぎかな?」といただいています。

須田)薩長同盟というより、安倍さんはいまから5年8カ月前に、総裁になりました。当時から一貫して言っている1つのフレーズは、「アベノミクスの恩恵を全国津々浦々に届ける」です。民主党政権時代までは平成デフレ不況でした。安倍さんにとって最大の仕事は、経済の建て直しや景気回復だったのです。
ただ、よく経済や景気の回復となると、「大都市優遇」とか「大企業優遇」という話になって、どうしても中央の話になってしまいます。そうではなく、「地方経済も含めて日本全体の底上げを図っていきます、地方の人たちにも恩恵を届けていきます」が、アベノミクスの最終的に目指していたところです。
すると、現状で地方はどうなっているかですが、ハッキリ申し上げて地方経済はまだ立ち直っていないし、かなり疲弊している状況なのが実態ではないかな、と。数値上ではいいですよ、例えば有効求人倍率が全国平均で1.50を上回っています。1.5人の求人に対して、応募が1人しかない。あるいは、失業率は戦後最低水準。株価は上がっているし、企業業績もいい。
だけど、やはり地方経済で考えると、いまひとつというか2つ、3つなのが実態です。そこで、総裁選出馬宣言を東京、永田町で行ったら「やはり東京や大企業重視なのか?」と思われるかもしれない。メッセージとして、「これからの3年間は地方重視でやっていきます。原点に戻り、もう1度経済問題を一生懸命やります」という、安倍総理の意欲の現れだったのではないでしょうか。

最大のポイントは地方票をどれだけ取り込めるか

須田)特に今回の総裁選は地方票と言えばいいのかな。47都道府県ごとに、党開票される地方票。その基数が、国会議員の方は決着が付いてしまっています。もう安倍さんの圧勝です。

新行)7派閥中5派閥という話もありますよね。

須田)「地方票をどれだけ取り込めるか?」が最大のポイントですから、地方に対して「重視していますよ」とメッセージを送ることが大切だったのではないか、と思います。
それともう1つはビジュアルがいいですよね。桜島をバックにしてね。

新行)流行の『西郷どん』みたいな(笑)。

須田)そうですよね。少し間違えると、まるで大河ドラマみたいで。ビジュアルがよかったのだと思います。

新行)今回、党員、党友の投票と国会議員の投票時期は一緒ですよね?

須田)そうです。開票のタイミングも一緒です。かつて小泉さんが初めて総裁に選ばれたときは、まず党員票から開いたのです。そこで圧倒的な支持を小泉さんが集め、雪崩を打つ形で、国会議員票も集めてしまいました。そのときの反省というのも変な話ですが、それだといろいろ問題が起こるから、同時に党開票の形になっているのです。
そして、当時は「総取り方式」で、勝ったところは全部持って行きましたが、現在では「比例配分」となっています。

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