自民党総裁選~石破茂陣営に感じる余裕の無さ
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月3日放送)ジャーナリストの須田慎一郎が出演。総裁選をめぐる石破茂陣営の動きについて解説した。
総裁選~今日安倍総理陣営発足式
自民党総裁選を20日に控え、安倍総理の陣営は今日、選対本部発足式を行う予定。これに伴い毎日新聞が週末に行った世論調査によると、次期総裁にふさわしいのは、安倍総理が32%、石破茂氏が29%と、わずかな差だが、「このなかにはいない」と回答した人も28%いた、という結果が出ている。
飯田)これが「自民党員に限る」とか、いろいろ切り分けによるところもあると思います。週末、総理はインタビューを各新聞で受けて、読売や産経には掲載されていました。
情勢的には「安倍総理が有利」とずっと報道されていますね。
須田)間違いなく安倍さんだと思います。しかしその勝ち方について、「どれくらい差を付けるか?」が今後の大きな焦点になると思います。
それには2つ意味があり、1つは、泣いても笑ってもこれが最後の任期になる。「その3年間をどう全うできるか?」、あまり差が付かないと、党内政局が発生して求心力が失われるということになります。3年間ビッチリ仕事をするためにも、一定程度の数を獲得するのが大事になってくると思います。
文春への対応から石破茂陣営の余裕の無さが感じ取れる
須田)もう1つは、やはり石破さんです。ここで万が一惨敗することがあれば、おそらく「総裁候補としてはもう終わった人」という認識になってくる。同じ負けでも、一定程度の地方票、党員票を獲得するというのが、いまの石破さんにとって重要なことだと思います。
だから、石破さん側もピリピリしているのでしょう。先週の週刊文春で、飯島内閣官房参与がコラムをやっているのですが、そこでかなり刺激的なタイトルのコラムを書いたのです。「石破茂は総裁選を辞退せよ!」です。
飯田)すごい見出しが付いていますね。
須田)飯島さんは辛口ですから。コーナーの名前も「激辛インテリジェンス」ですし。
これに石破陣営サイドは激しく反応しました。陣営どころか石破さん自身も激しく反応して、「政府のスタッフがそういうことを言うべきではない」と抗議を申し入れたそうです。ずいぶん、余裕がないのだな、と。
飯田)そう見えてしまいますね。
須田)しかも、手続きが間違えている。私が直接飯島さんに話を聞いたら、「タイトルを付けるのは編集部です。自分で付けたわけじゃない」と言っていました。石破さんサイドも編集部に抗議するべきです。どうして官邸に抗議申し入れをするのか。
飯田)確かに、雑誌に載ったのだから、最初は新谷編集長に言うべきですよね。
須田)ずいぶんピリピリして、神経質でナイーブになっているのが逆に伺えて、余裕のなさが見えます。もう少しどっしり構えた方がいいのではないかと、老婆心ながらに思います。
飯田)それこそ「総裁選を巡って石破さんと安倍さんの一騎打ちだ!」ということで、安倍さんについては「友達を周りに固める」とか「批判を聞かない」とか言われていますが、こういうのを見ていると五十歩百歩というか、どっちがどっちの話になりますよね。
目標は素晴らしいが、実現する過程が見えて来ない石破茂サイド
須田)石破さんが総裁選出馬を意識して出版した、新書版の本を読んだのです。確かに、いいことを言っているなと思えるような「○○を目指します!」という項目が目白押しです。「消費税増税はしない」とかです。
しかし、それらをどう実現するのか、プロセスが一切欠如している。政策を語るところから言うと、バラ色の未来を描くけれど、それをどうやって実現するのかが大切だと思うのですが、そこも石破さんサイドでなかなか聞こえてこないのが不満なところです。
飯田)それこそ政策論争は、そこのプロセスをどうするかを喧々諤々とやるのが本来の政策論争ですよね。
須田)何も、相対して、相手の揚げ足を取るのが政策論争ではない。やはりそれぞれがきちんと政策を語っていく。そして、それを今回は有権者ではなく党員がどう見比べるのか、ということでも十分な政策論争ではないかと思います。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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