「垣花正 あなたとハッピー!」(9月5日放送)で経済アナリストの森永卓郎が出演。自民総裁選挙について、国民が幸せになるのはどちらかを経済面から解説した。
自民総裁選、安倍さんと石破さん、国民が幸せになれるのはどっちだ?
垣花)自民総裁選ですから、事実上総理大臣が決まる戦いです。20日に投開票があるわけですが、今回は自民総裁選挙の安倍さんと石破さんの政策を見て、経済面から森永卓郎さんに解説をしてもらいます。
石破氏が勝てば来年10月に消費税を増税
森永)どちらが良いのかを考えないといけません。国民には石破さんの人気は高い。石破さんは地方など、弱い人の視点を強く持っている人です。だから国民の気持ちはわかるのですが、経済の観点からすると、石破さんは実は増税派なのです。
岸田さんが「K-WISH」という岸田派の政策骨子を発表したときに、「これは自分の理念に近い」ということを言いました。岸田さんは財政の安定的な運営と言うのですが、要するに消費税をどんどん増税していって財政破綻を防ごうという考えなのです。
石破さんは「財政引き締め、金融引き締めじゃないですか」と責められたら「そんなことはない。すぐに政策を劇的に変えることはない」と言っていたのですが、中長期的には変えようと。「大胆な金融緩和も機動的な財政出動も、いつまでも続けられるわけがないじゃないですか」とおっしゃっていて、石破さんが勝つと間違いなく来年10月の消費税増税は実現するわけです。
安倍総理は憲法改正のために消費税を凍結
一方で安倍総理が勝つと、来年の3月くらいまでに安倍総理が突然会見を開いて、「10月の消費税の引き上げを凍結、あるいは引き下げ」ということを言う可能性がけっこう高いと見ています。安倍総理は憲法を改正したいわけです。国会は3分の2を押さえていますから、問題は国民投票なのです。いまの支持率の状況でいくと、憲法改正の国民投票で勝てる見通しがないのです。そのときに安倍総理が「消費税を凍結します」という記者会見を開いたら国民はどう反応するかというと、答えは見えてくる。支持率がどかんと上がったところに、憲法改正の国民投票を仕掛けていくのだと思います。
垣花)憲法改正のために、経済政策は国民の人気を取るための1つの方法として考えていると。
もし消費税増税が成立した場合に起こり得る流れ
森永)もし来年10月に消費税税率を引き上げてしまったらどうなるかというと、とんでもないことが起こってしまうのです。人生を景気循環論にかけている嶋中雄二というエコノミストがいます。景気循環は短期、中期、長期、超長期という4種類の波があります。重要なのは短期と中期なのですが、その嶋中さんが言うには、短期と中期の景気循環が来年下を向くのですよ。景気循環でも落ちていくのです。
更に、オリンピックバブルの崩壊はオリンピック開催前年に、北京オリンピックのときも起きています。オリンピックの前に建物の建設が終わる。だからそのリスクもある。そこに消費税増税なんてやってしまったら、景気がめちゃくちゃになるのは目に見えています。
垣花)ということは、経済政策に関して言えば、石破さんが勝ってしまうと国民が経済面では幸せにならない。
森永)石破さんはいまからでも遅くないので「消費税を5%に下げるぞ」と安倍さんよりも先に言うべきだと思います。
垣花正 あなたとハッピー!
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