「チクショーッ。オレよりもしぶといヤツが現れやがった」栃錦が若乃花(初代)との初対戦の後に放った名言

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偉人の歴史に残る場面での名言を取り上げる 「高嶋ひでたけと里崎智也サタデーバッテリートーク」の“名言名場面プレイバック”。1月26日放送では、火花を散らすライバル同士の名言を紹介した。

1954年秋場所での横綱昇進時(栃錦清隆 - Wikipediaより)

角界の歴史に残るライバル同士──。
「栃若時代」を築いた、栃錦と(初代)若乃花のふたりが残した名言です。ふたりとも体重86キロそこそこの小兵力士。でも、そんなハンデを微塵も感じさせない、闘志あふれる相撲をみせてくれました。
3つ年上の栃錦は、若乃花にまつわる、こんな名言を残しています。

「チクショーッ。オレよりもしぶといヤツが現れやがった」(栃錦)

これは、昭和26年夏場所8日目、当時小結の栃錦が、前頭筆頭の若乃花に寄り倒された「初対決」の直後に飛び出した言葉です。
かたや若乃花は、こんな名言を残しています。

「栃関に勝てば、喜びは倍になり、負けると、悔しさは数倍になった」(若乃花)

「栃若時代」のクライマックスは、なんと言っても、昭和35年春場所でしょう。この場所、両雄は、初日から負け知らずのまま千秋楽で激突します。横綱同士の千秋楽全勝対決は、史上初のことです。
さて… この運命の大決戦の、前夜。
余り知られていませんが…実にドラマティックなエピソードが残っています。まったく眠れない若乃花。ふらりと、大阪・千日前の映画館に入りました。
映画館はガラガラ…。なんでも、ジョン・ウェインの西部劇をやっていたそうです。そのとき…若乃花の目の前の席に、大きな体の先客が座っていました。薄明りのなか目を凝らしてみると…その巨体の主は、誰あろう、栃錦その人だった!
若乃花は、こう思ったそうです。「なんだ、栃関も眠れないんだな。同じ人間なんだな…」。そう思うと、スッと楽になった。映画館を出て1杯ひっかけると、グッスリと眠れた。果たせるかな、翌日の世紀の勝負は、若乃花が制しまして、初の全勝優勝を記録。

かたや栃錦は、この一番で精魂が尽き果てたのか、翌場所、引退しました。ちなみにこのおふたり。引退したあとは、まさに「昨日の敵は今日の友」。
ガッチリとスクラムを組んで、両国国技館建設という大事業を成し遂げているのです。ライバルが己を育て、育った自分がライバルを育てる──。切磋琢磨という言葉は、ライバルのためにある四文字なのかもしれません。

高嶋ひでたけと里崎智也 サタデーバッテリートーク
FM93AM1242ニッポン放送 土曜18:00-20:30

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