パラリンピック注目競技「ゴールボール」世界の強豪が集結!新行市佳が現地取材レポート!

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ニッポン放送アナウンサーの新行市佳が、注目選手や大会の取材などを通して、パラスポーツの魅力をあなたと一緒に発見するための連載企画「パラスポヒーロー列伝」。今回は、2月1日~3日に千葉ポートアリーナで行われた「天皇陛下御在位三十年記念 2019ジャパンパラゴールボール競技大会」の取材レポートをお届けします。

「クワイエット・プリーズ!」
静寂の中で繰り広げられる熱い戦い「天皇陛下御在位三十年記念 2019ジャパンパラゴールボール競技大会」が、先日2月1日~3日にかけて千葉ポートリーナで開催されました。

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ボールを止める日本チーム

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ボールを投げる欠端瑛子選手

アメリカ(世界ランキング6位)、トルコ(2位)、ブラジル(1位)、そして日本(4位)の4か国の女子代表チームが参加。(※世界ランクは2018年12月31日時点)
日本代表チームとして、2012年ロンドンパラリンピックで優勝を経験した浦田理恵(うらた・りえ)選手、欠端瑛子(かけはた・えいこ)選手、小宮正江(こみや・まさえ)選手、若杉遥(わかすぎ・はるか)選手、ジャパンパラ大会皆勤賞の安室早姫(あむろ・さき)選手、国際大会デビューの萩原紀佳(はぎわら・のりか)選手の6人が出場。

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日本代表の円陣

今大会で優勝すること、そしてチームの底上げを目標としていた日本チームは、予選6試合中、2勝2敗2引き分けで決勝へ進出、予選全勝のトルコとの優勝争いになりました。
トルコはリオパラリンピックで金メダルに輝いた実績をもち、速く強烈なボールを投げるセブダ・アルトノロク選手率いるチーム。
予選ではトルコのバウンドボール(バウンドしながら転がるボール)に苦しめられ、7-4、5-2で2試合とも日本は破れました。威力があり大きくバウンドするトルコのボールは、ディフェンスの選手に当たった瞬間に跳ね上がり、ゴールのネットを何度も揺らしました。
決勝前日の囲み取材で、市川喬一(いちかわ・きょういち)ヘッドコーチは「日本チームはグラウンダー(床を滑るように転がる速いボール)には強いんですけど、弾むボールについては弱点をもっているところがあるので、今日のデータを踏まえてしっかり検証したい。」と語り、夜遅くまでデータ班と分析、ディフェンスの微調整を行いました。

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日本チーム

トルコと日本の決勝戦。トルコチームはこの大一番で、速いグラウンダーのボールで翻弄します。バウンドボールの対策をしてきた日本チームはタイミングをずらされ、前半にセブダ選手に3点を決められると、そのまま取り返すことができませんでした。

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トルコのセブダ選手

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決勝の様子

市川ヘッドコーチは「バウンドボール抑えることはできたんですけれど、想定外のグラウンダーで、前半の失点が最後まで響いてしまったなというのが、正直な感想です。バウンドボールには対応できるようになってきたので、グラウンダーとのコラボレーションに対して今後どう対応するか、しっかり検証したいと思います。」

これからの課題が浮き彫りになりましたが、若手選手の活躍が光った大会でもありました。
競技歴わずか2年、今回が国際大会初出場となった萩原紀佳選手は、予選のブラジル戦とトルコ戦でそれぞれ1点を決めました。

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萩原紀佳選手

「大きい身体を使ったディフェンスは信頼しています。投げ出しの音が静かなのが武器ですね。」と浦田選手は高く評価。
決勝のトルコ戦では、自分の身体に当たったボールがゴールに入りそうになったものの、すぐに反応して自ら止め、市川ヘッドコーチは「合宿では諦めていたボールだったんですけれど、最後まで止めに行ったのは成長したなと感じますね。」と話し、今後の伸びしろに期待感を寄せました。

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集合写真

優勝:トルコ、準優勝:日本、3位:ブラジル、4位:アメリカで幕を閉じたジャパンパラ大会。守りの要である浦田選手は、相手の得点を抑えることでリズムを作る日本のサイクルを試合で実行するため「ディフェンス力を上げること」の重要性挙げました。

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浦田理恵選手

今年9月には幕張メッセで東京パラリンピックを見据えたゴールボールのプレ大会が行われる予定です。
2020年はもちろんその先へ繫げるため、ゴールボール女子日本代表の進化は続きます!

【新行市佳のパラスポヒーロー列伝 第11回】

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