株式会社 幻冬舎・社長 見城徹「きょうと違う景色を見たかったら、1歩前に足を出す」

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、株式会社 幻冬舎 社長の見城徹が出演。自身の、人とは違う個体としての生き方について語った。

株式会社 幻冬舎・社長 見城徹「きょうと違う景色を見たかったら、1歩前に足を出す」
黒木)今週のゲストは株式会社 幻冬舎 代表取締役社長の見城徹さんです。
見城さんに初めてお会いして、もう30年ぐらい経ちますか。私は24歳でした。

見城)その頃だよね。フランス料理を食べに行って、食前酒は何を飲みますかと聞いたら。

黒木)「ブランデー」と言ったのですよね。

見城)それはちょっとびっくりしました(笑)。

黒木)はい(笑)。お酒に、食前に飲むお酒、食中に飲むお酒、食後に飲むお酒があるということを初めて知りました。すごいなあ東京というところは、と思いましたもの。

見城)でもそこが素敵だったよね。宝塚の娘役を極めて、大スターで上京して来て。これから栄光が約束されているかのような東京の芸能界でやって行くというときに、「食前酒はブランデー」というのは。このギャップは素晴らしいよ。良いやつだなと思いましたよ(笑)。

黒木)見城さんは、そのときから人生の先輩であり、お兄さんだと思っています。いろいろなことを教えていただいたり、叱っていただいたり励ましていただいたりして。ありがとうございます。

見城)とんでもないです。そう言ってくれると救われますよ。

黒木)見城さんの著書である『読書という荒野』の「読書」という項には、いろいろなことが書いてあります。少し笑っちゃうのが、「夢や希望は豚に食われろ」というものがありあます(笑)。見城さんらしくて、読むと「なるほど」と思います。
「夢や希望を語るのは簡単だ。語り始めたら自分が薄っぺらになる、野心も一緒だ、自己満足しかない。そんなもの捨てたら良い。そんなものと無関係に生きようとしたときに、人は本当に前に一歩踏み出る。日々を自己検証しながら圧倒的努力で生きる。そしたらやがて結果も生み出る。目指していたものに手が届く、実現するそのとき静かに噛みしめるように、これが自分の夢だったんだ、と語れば良い」
ということが書かれています。何ですかね、「圧倒的説得力」と言うのでしょうか。もうこれ以外の言葉は無いというほど、胸に刺さるのですが。

見城)僕はいつも思うのですよ。夢を語るやつが僕の前に来るじゃないですか。自分はかっこいいと思っているかもしれないけれど、夢を語る前に実現しようと圧倒的努力を始めている人は、夢を語らないですよ。この本に書いたけれど、自分の夢が実現したときに初めて、「これが自分の夢だったのだ」と語れば良いわけです。
様々な困難やいろいろな障壁を突き破って、ここまで出て来た人、黒木瞳だってそうだよね。僕ももしかしたらそうかもしれない。そんな人たちは、軽々しく夢や野心を言わないですよ。僕の周りで何か成している人たちはみんなそうだよ。僕自身がいつも「ああ、俺はダメだな」という自己嫌悪と自己否定と自己検証の日々です。そんなことを言われると恥ずかしいです。

黒木)私もいつもそうやって自己嫌悪になって、反省して。それでも前に1歩進もうと思うときは、4年前に見城さんに言っていただいた「きょうと違う景色を見たかったら1歩前に…」という言葉を思い出します。

見城)よく覚えてるね(笑)。

黒木)えっ?(笑)

見城)言ったね、それは言っただろう。

黒木)「きょうと違う景色を見たかったら、1歩前に足を出す」。

見城)出るしかないのですよ。人は時間に囚われて生きている、時間の囚人だから。時間の囚われ人だから、1分後は何が起きるか分からない。1分後は暗闇なのですね。暗闇のなかでとにかくいつもジャンプするしかない。そうすると、1歩前に進むしかない。それがジャンプなのです。きょうと同じ景色を明日迎えても、生きている実感は無いじゃないですか。何とかして違う風景にしたいと思うから、人は情熱がたぎって来るわけです。毎日毎日それをやるのは疲れるけれども、でもそれをやるしか僕は、生きる切なさを埋めることができないのですよ。

黒木)違う景色を見るためには、圧倒的努力と熱狂が必要なわけですよね。

見城)そうですね。そうなんです。

株式会社 幻冬舎・社長 見城徹「きょうと違う景色を見たかったら、1歩前に足を出す」

見城徹 著『読書という荒野』(幻冬舎)(※写真はAmazonより)

見城徹/株式会社幻冬舎・代表取締役社長

■慶應義塾大学法学部卒業後、廣済堂出版に入社。編集者としてのキャリアがスタート。
■1975年、角川書店に入社。『野性時代』副編集長を経て、『月刊カドカワ』編集長に。部数を30倍に伸ばし、雑誌界の伝説となる。
■その後、直木賞作品を数多く手掛けるなど、ベストセラー作品を次々と送り出す。41歳のときには取締役編集部長に昇進。凄腕の編集者として知られるようになる。
■1993年、独立して株式会社「幻冬舎」を設立。斬新なアイデアでベストセラーを生み出し続けている。
■最近は『絶望しきって死ぬために、今を熱狂して生きろ(藤田晋氏共著)』、『たった一人の熱狂』、『読書という荒野』など、自身の著書が話題を集めている。

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