トランプ大統領と安倍総理が日本で静かに話す“3つ”のこと
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月24日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。5月25日となるトランプ大統領の来日について解説した。
アメリカのトランプ大統領が25日来日
令和初の国賓として、アメリカのトランプ大統領夫妻が5月25日から来日するのを前に、警視庁は23日、重要警備ポイントとなる羽田空港などで警戒状況を報道陣に公開した。トランプ大統領の来日期間中、警察当局は最大2万人を超える過去最大規模の体制で警備に臨む。
飯田)トランプ大統領は25日の土曜日から、土日月火といらっしゃるということです。各紙、どのようなことを話すのかという記事も出ています。
宮家)今回は、3ヵ月に3回会ううちの真ん中ですよね。しかも国賓でしょう。そして新陛下の最初の御謁見ということになるのだから、より公式で、儀礼的で、象徴的なものになると思います。貿易の話などはやらないとも報道されていますけれど、それはそうでしょう。大体、いまの状況では間に合いません。貿易問題では中国の方が優先順位は高いですし、トランプさんは6月にG20でまた来る可能性はあるわけです。
安倍総理がトランプ大統領と静かに話す“3つ”のこと
宮家)では何も話さないかと言うと、静かに話さなければならないことがいくつかある。私が個人的に気になっているのはイランです。イランと日本の関係は決して悪くはない。イランの問題は日本もアメリカに物申しておくべきことの1つだと思います。
それからやはり、中国との関係。残りの全品に対して最大25%ということになれば、日本企業にも影響があるのです。落としどころをちゃんと見極めなければいけないし、これも静かに話す話だと思いますね。
3つ目にあるのは北朝鮮でしょう。米朝関係がおかしくなると、日朝が動き出す可能性が出て来ます。安倍さんが無条件だと言って、球を向こうに投げました。北朝鮮はいまはまだアメリカと直接話せる機会があると思っているのでしょうが、年末までにはいずれそれが駄目だとわかるはずです。そうなると、日朝対話は今年から来年にかけてが1つのチャンスになると思います。その意味で日朝、特に拉致問題について、トランプ大統領と方向性を改めて確認することは大事だと思います。
飯田)メールも様々、この日米首脳会談についていただいています。“本郷の解説者”さん、文京区の71歳の方。「産経新聞一面、日米首脳会談の記者会見で、いくつかの興味深い発表があると載っています。これは何だと思いますか?」。
宮家)何でしょうね、思わせぶりな。でも常識的に考えると安全保障問題でしょうか、例えば今回、護衛艦「かが」のところに行くわけですよね。
飯田)ヘリ搭載型護衛艦という、空母みたいなものですが。
宮家)安全保障の面ではかなり象徴的な意味を持つので、これは北朝鮮と言うよりも、中国に対するメッセージですよね。今回「かが」へはヘリコプターで行くのかもしれませんが、いずれはF35Bが搭載されるかもしれない。中国も空母を作っているので、一種の宣伝戦ですかね。情報戦ですけれど、そういう発表があるのかもしれません。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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