北朝鮮拉致問題~解決するための2つのポイント
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月20日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。安倍総理が北朝鮮拉致問題に関する国民大集会で挨拶。今後も粘り強く交渉を続けて行くと語った背景について解説した。
拉致家族、即時一括帰国の堅持を要求
安倍総理は5月19日、北朝鮮拉致問題に関する国民大集会で挨拶し、解決に向け無条件での対話への意欲を改めて表明した。残念ながら日朝首脳会談が行われる目処が立っていないのは事実だとも説明し、粘り強く取り組む姿勢を示している。
飯田)条件を付けず金委員長と会って、虚心坦懐に率直に話がしたいと述べているという事ですが、北朝鮮との対応はこの先どうなるのでしょうか。
日朝関係の前進には日米の連携が必須
須田)ポイントは2つあります。1つは日朝首脳会談を開くことを始め、日朝関係の前進を進めるにあたって、トランプさんが全面的なバックアップ体制を敷いていることです。トランプさんの全面的な同意があって、日本のこういう動きになっています。小泉政権下における第1次首脳会談の小泉訪朝は、アメリカの頭越しにやってしまったために、アメリカの激怒を買う状況になってしまいました。日朝交渉は日米の連携のもとに進めて行かなければ、なかなかスムーズには進まないのだろうと思います。
北朝鮮の工作機関との交渉が必要
須田)もう1つが、実は小泉訪朝時に、第1次・第2次ともに金正日総書記と会談を開いて、その号令一下、拉致問題が解決に向かったかのように表面的には見えますが、その一方で水面下の交渉がありました。それは何かと言うと、拉致をけん引したのは北朝鮮の工作機関、情報機関です。そこと日本は第1次、第2次とパイプは違いますがやったのです。それが車の両輪となって、国のトップと工作機関のトップとの調整が進んだために、拉致問題の解決に向かって行きました。この轍を踏むのであれば、今回の安倍さんが交渉して拉致問題を解決に向かわせるには、工作機関・情報機関との水面下での交渉が必要になって来ます。ただ私が取材しているなかで、そのあたりの接触が日朝間で行われているフシがありません。
飯田)まだそこまで行きついていないのでしょうか。日本で情報機関というものは表向きないことになっていますが、内閣情報調査室のトップの動きが報道されたことがありました。ハノイであるとかモンゴルのウランバートルに、北村滋情報官が行って会っていると。こういう情報が洩れて来ているのはどういうことだと思っていました。
須田)向こうサイドから情報が洩れていることも考えられます。そして、カウンターパートナーが向こうの情報機関のトップではないということなのです。
飯田)そこまで行きついていない。
須田)いまはそこの綱引きが行われているのでしょう。小泉政権下で事態が解決に向かったような形での接触、あるいはパイプがまだ構築できていないところが、懸念される部分ではないでしょうか。
飯田)あの国の場合、向こうの外務省や外交部のオフィシャルよりも、工作機関の方がものを動かす力があるということでしょうか。
須田)向こうの外務省は、一連の問題に対して殆ど力はありません。ですからそこが肝です。北朝鮮は「現在は戦時下」という意識ですから。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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