川崎殺傷事件~データのない犯人からどう児童を守るか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月29日放送)に上智大学総合グローバル学部教授の前嶋和弘が出演。5月28日に起こった川崎の殺傷事件について解説した。

川崎殺傷事件~データのない犯人からどう児童を守るか

小学生を含む複数の人が刺された現場を調べる捜査員ら=2019年5月28日午前、川崎市多摩区 写真提供:産経新聞社

私立カリタス小学校が会見

5月28日午前7時40分ごろ、川崎市多摩区登戸新町の路上で私立カリタス小学校のスクールバスを待っていた児童17人と大人2人が、男に次々と刃物で刺される事件が発生した。小学6年生の女の子と児童の保護者の男性が亡くなり、ほか17人も重軽傷を負っている。身柄を確保された岩崎隆一容疑者は、自ら首を刺し死亡が確認されている。

齋藤哲郎理事長)こうした被害に遭ったことを、怒りのやり場もないくらいの気持ちであり、本当に痛恨の極みです。

内藤貞子校長)おはようと声をかけたときは、彼女は本当に笑顔いっぱいでおはようございますという風に返してくれるお子さんでした。本当に信じられません。きょうも元気のいい挨拶が聞けるかなという風に思っていました。

飯田)お聞きいただいたのは28日、夕方行われた私立カリタス小学校の記者会見。齋藤哲郎理事長と、内藤貞子校長の言葉でした。言葉がないという感じですけれども。

前嶋)凄惨ですよね。本当に言葉がないです。スクールバスは安全対策だったはずなのですが。

飯田)この会見でも様々なことが明らかになりましたが、岩崎隆一容疑者は被疑者死亡という形で、今後書類送検されるでしょう。この岩崎容疑者が無言で近付いて来て、わずか十数秒の間の出来事で、対策の取りようもなかったようです。
メールもいただいています。船橋市のラジオネーム“ちょう”さん、トラックドライバーの方です。「また罪のない人たちが犠牲になってしまいました。大津の事故にしても川崎の事件にしても、個人レベルで注意をして防げることではありませんよね。犠牲者の多くは子どもたち。ガードレールの設置、学校の登下校の時間にパトロールの数を増やすなど早急にできることをやって、これ以上このようなことが起きないようにしなければいけないと思います」。
私も子どもが4歳で保育園に通っているので、非常に怖いなと思い、昨日は早めに迎えに行きました。前嶋さんはアメリカの政治や社会情勢にもお詳しいということですが、アメリカの場合も送り迎えはスクールバスが主流ですよね?

前嶋)公立で言うとスクールバスです。例の黄色いバスですね。

川崎殺傷事件~データのない犯人からどう児童を守るか
スクールバスを児童が列に並んで待っていた

飯田)イメージがありますよね。

前嶋)大人がいて、何かあったら守ってくれる。でも今回はそのスクールバスがやられてしまったので…なかなか対応が難しいですね。スクールバスに遅れたら、アメリカの親だとそのまま学校に送るのですが、普通の親がぜんぶケアをするのは難しいですよね。

飯田)アメリカの映画を観ていると、スクールバスは家の近所まで巡回して回るみたいですね。今回の場合は登戸駅という、小田急線とJR南武線のターミナル駅です。そこからバスに乗って学校に向かうということだったのですが、たくさんの児童が列で並んでいる環境でした。ここをどう守るかということですが。

前嶋)守りようがないですよね。先程のメールにもあったようなパトロールもあるかもしれませんが、そこまではなかなか難しいですしね。犯人が周りと関係がない人だとデータがない。中国で進んでいるような、顔認証でいろいろなデータベースを作る警察社会に日本は行きたくないけれど、子どもたちは絶対守らないといけないので、ある程度は必要なのか…難しいですね。

飯田)そうですね。安全とプライバシー、どちらをとるかというところに来ているのかもしれません。

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