トランプ大統領が安倍総理のイラン訪問で期待すること

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月11日放送)ジャーナリストの有本香が出演。12日からの安倍総理のイラン訪問について解説した。

トランプ大統領が安倍総理のイラン訪問で期待すること

イラン訪問前に意見交換  スイスのマウラー大統領兼財務相(左)と握手する安倍首相=10日午前、首相官邸 提供共同通信

安倍総理がイラン訪問へ

安倍総理大臣は、アメリカと対立するイランを12日から訪問するのを前に、10日午前、総理官邸で、イランにおけるアメリカの利益代表を務めているスイスのマウラー大統領兼財務大臣と会談した。会談のなかで両首脳は、中東の平和と繁栄のため協力していく考えで一致した。

飯田)アメリカとイラン国交がないということで、在イランのスイス大使館がアメリカの利益代表部を担っています。

有本)そもそもイランに安倍総理が行くという話ですが、ヨーロッパとアメリカとで意見の食い違いがあって、イランの核合意というものからアメリカが離脱しました。日本は、アメリカともヨーロッパとも違う形で、イランと以前から友好関係を維持して来ました。日章丸事件なんていうのもあって、イランと日本は特別な友情があるわけです。

飯田)制裁かいくぐって日本の船が石油持って来たという出光佐三さんの。

トランプ大統領はイランと本気で対敵しようとしているのではない

有本)出光佐三さんの伝説的な物語というか、事実です。そういうこともあって、日本はイランにいろいろと話ができるだろうということです。トランプ大統領としては本気でイランと敵対しようとしているのではなく、核合意というのはいい加減だっただろうということを言いたいのです。これをやり直そうという話です。確かにイラン核合意というのは方向性としては良いのでしょうけれども、問題は相当指摘されて来ました。

飯田)そうでしたね。

有本)正式な条約になってない。署名がされていないのだから、守られるのかとか、非常に政治的なパフォーマンスの意味合いも含めた合意でしかないということです。

飯田)イランにあまいとかね。

有本)それはダメではないかと。そういうことをトランプ大統領も、ポンペオ国務長官も、ずっと指摘していたわけです。イランと本当にいい関係を作り、尚且つイランを平和の枠組みのなかに入れて行くという意味合いでは、確かにあの核合意のままでいいという話でもないわけです。そこの仲介役を日本がやるということは大きなことだと思います。
もう1つは、いま中東の状況を見ると、イランとアメリカが緊張しているという話しか日本では報道されませんが、ある人の表現を借りれば、中東は三国志なのです。

トランプ大統領が安倍総理のイラン訪問で期待すること

日本がするイランとアメリカの橋渡し

飯田)三国志。

有本)イランと、トルコと、サウジアラビア。つまり、ペルシャ、アラブ、トルコ。この3つの勢力が常にせめぎ合っている。そこにイスラエルというのはあるけれど。いま問題なのは、ロシアが、中東に影響力を強めてきているではないですか。そして、アメリカはトルコとも関係が悪くなっていますよね。

飯田)ロシアのミサイル導入で戦闘機入れないという。

有本)戦闘機を入れないというようなことになっているから、そういう意味でもイランと角突き合わせる局面でもなくなって来ているわけです。上手く日本が橋渡しすることによって、イランの核疑惑と言われてきた問題、あるいは、大量破壊兵器やテロ勢力との関係性。こういうものも含めて、より平和な方向に軌道修正してもらう。これを日本ができれば、国際的には大変な偉業です。

 

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