韓国への輸出規制~「北朝鮮への横流し」という安全保障上の理由
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月8日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。日本が4日に発動した韓国への輸出規制について解説した。
輸出規制に韓国がWTO協定違反だとして反発
日本政府が4日発動した半導体材料の輸出規制を巡って韓国が反発し、世界貿易機関(WTO)協定違反だと提訴を含めた対抗措置も辞さない構えを見せている。日本は禁輸措置や国際ルール違反ではないと説明をし、事務レベルでの話し合いの窓口を開き、韓国側に対し経済産業省の担当者が経緯や今後の対応に関して説明する考えである。
新行)菅官房長官も韓国への半導体材料の輸出規制について、自由貿易体制の逆行、WTO協定違反との指摘には当たらないと述べています。改めて、WTO協定違反というものはどういう行為になって来るのでしょうか?
須田)WTOは自由貿易体制を守ろうということで、一定の貿易ルールを決めています。ですから、関税についてもこれ以上関税を課してはいけない、あるいは自分たちの都合だけで輸出入を制限してはいけないとしています。関税によって障害を設けるだけではなく、自国の法律や商慣習によって貿易が阻害されるようなことがあってはならないというルールを決めている。そのなかに一部例外規定というものがあって、自国の、例えば日本にとってみると日本の安全保障上で何らかの問題が発生しそうな、あるいは発生している場合に関しては、その限りではない。関税の上限も設けなくてもいいし、あるいは一定程度の国内ルールに基づいて輸出入の制限をしても良いという例外規定があります。
ウラン濃縮にも使われるフッ化水素が北朝鮮へ横流しされている疑い
須田)今回、韓国に対して3つの材料の輸出が規制されたのは、安全保障上の問題があったからだということですが、本当にそれがあったのかがポイントになります。この3品目は、フッ化水素とフッ化ポリイミド、そしてレジストというものです。なかでも私が注目しているのは、フッ化水素です。実はこのフッ化水素は、ウラン濃縮にも使われる材料です。これは去年(2018年)の話ですが、日本が輸出したフッ化水素を韓国の企業が北朝鮮に、秘密裏に輸出しているのではないかという疑いが出て来た。日本は内々で表面化させずに、11月の段階でおかしいぞと指摘をした。きちんとメッセージを送っていたのです。どれが横流しなのか、どれが正規に使われているのか色分けできなかったためメッセージを送ったのですが、韓国に対して一定の配慮を残しながら、日本は輸出を継続して来ました。ところが、一方で韓国の日本に対する対応が過激になって来て、日本と敵対するような行動を取るようになって来た。そういう状況のなかで「北朝鮮に横流ししませんよ」という信頼関係が果たして維持できているのか。加えて韓国はどんどん北朝鮮との間合いを強めています。だから韓国との信頼関係がない以上、輸出はできませんということになったのです。もちろん違う局面では、いわゆる徴用工裁判の判決の影響などもあります。そういった一連のことを見ても、韓国は日本に対して敵対的な行動をしている。そのため日本は安全保障上の懸念が生じているのだということです。ですから、これはWTO協定違反ではないと言っていいと思います。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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