【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第849回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、6月19日から公開の『エジソンズ・ゲーム』をご紹介します。
歴史的な“電流戦争”、その全貌が明らかに…
電話機や蓄音機をはじめ、生涯約1300もの発明をしたことから“発明王” として知られているトーマス・エジソン。彼ほどの天才にも、最強のライバルがいたことをご存知でしょうか。
その人物の名は、ジョージ・ウェスティングハウス。南北戦争直後、自動空気ブレーキシステムを発明し、鉄道の安全に飛躍的な進歩をもたらした人物です。
本作『エジソンズ・ゲーム』は、エジソンとウェスティングハウスをはじめとするライバルによる壮絶なビジネスバトルを描いた人間ドラマ。天才たちによる本気の闘いの全貌が、いま、明かされます。
19世紀、アメリカでは電気の誕生による新時代を迎えようとしていた。白熱電球の事業化を成功させたトーマス・エジソンは、“天才発明家”と崇められ、大統領からの仕事も平然と断る傲慢な男だった。
そんな彼を激怒させるニュースが流れる。それは裕福な実業家ジョージ・ウェスティングハウスが、遠くまで電気を送ることができて安価な“交流式送電”の実演会を成功させたというものだった。
“直流”による送電方式を推奨するエジソンは、“交流”による送電方式は危険で人を殺すと、ネガティブキャンペーンで世論を誘導。片や、エジソンと決裂した若き発明家ニコラ・テスラに近づくウェスティングハウス。
こうして幕を開けた“電流戦争”は、訴訟や駆け引き、裏工作が横行するなか、世紀のビジネスバトルへと発展して行く…。
天才発明家エジソンを演じるのは、『イミテーション・ゲーム / エニグマと天才数学者の秘密』のベネディクト・カンバーバッチ。世界的偉人のイメージを180度覆し、“奇才のダークヒーロー”として体現する怪演ぶりが目を引きます。
ライバルのウェスティングハウス役には『シェイプ・オブ・ウォーター』のマイケル・シャノン。さらに、若き天才科学者テスラに『女王陛下のお気に入り』のニコラス・ホルト、エジソンを支える助手に『スパイダーマン』最新シリーズのトム・ホランドと、魅力的なキャストが顔を揃えました。
日常の照明や電化製品、コンピューターや人工知能による恩恵など、私たちが豊かに暮らせるのは、電気の原点を決める歴史的事実があったからこそ。そう考えると、この闘いは決して他人事ではない?!
“直流”か、“交流”か。男たちのプライドと情熱をかけた“電流戦争”を制するのは一体誰なのか。結末は是非、映画館で。
『エジソンズ・ゲーム』
2020年6月19日(金)からTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
監督:アルフォンソ・ゴメス=レホン
製作総指揮:マーティン・スコセッシ
脚本:マイケル・ミトニック
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、マイケル・シャノン、ニコラス・ホルト、トム・ホランド、キャサリン・ウォーターストン、タペンス・ミドルトン、スタンリー・タウンゼント、マシュー・マクファディン
(C)2018 Lantern Entertainment LLC. All Rights Reserved.
原題:The Current War : Director’s Cut
公式サイト https://edisons-game.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/