配信直後から大反響! 2020年ピカイチの青春ムービー
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【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第838回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、Netflixで独占配信中のオリジナル映画『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』をご紹介します。
これは恋愛モノじゃない…“愛とは何か?”を問いかける物語だ
配信がスタートして以来、大反響を呼んでいるNetflix映画『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』。
『素顔の私を見つめて…』(2004年)で注目されたアリス・ウー監督の16年ぶりの新作で、先進的かつ普遍的な青春映画です。
子供のころ、中国からアメリカへ移り住んで来たエリーは、成績優秀な高校生。なかでも文学のセンスはずば抜けて素晴らしく、クラスメイトたちのレポート代行をアルバイトにしているほどだ。
ある日、アメフト男子のポールに声をかけられ、代筆を頼まれたのは、何と学校一の美人アスターへのラブレター。一度は断ったエリーだが、やむを得ない事情から依頼を受けることに。しかし、エリーもまたアスターに惹かれていて…。
エリーがラブレターを書き、さらにメールで援護射撃することで、どんどん距離を縮めて行くポールとアスター。そんな2人に、アスターに恋するエリーの心はモヤモヤするばかり。何とも複雑な三角関係が展開して行きます 。
天真爛漫なポールと接することで、シャイで内気な性格が徐々に変化して行くエリー。学校では人気者なのに、実は自分の居場所を見つけられずにいるアスター。そして、エリーとの交流を通じて人間の多様性に気づいて行くポール。
ストーリーの要となる3人が抱える悩みや思いはそれぞれ、誰もがどこかしら共感できる部分があり、気がつくと彼らにすっかり魅了されてしまっていることでしょう。
文学マニアにはたまらない言葉の引用を随所にちりばめながら、10代の少年少女の友情と恋愛が、実に爽やかに映し出されています。
「これは恋愛モノじゃない。望みがかなう話でもない」とエリーが観客に語りかけるように、本作は「愛とは何か?」について考える物語。
あなたはこの哲学的な問いかけに、どんな答えを導き出しますか?
■Netflix映画『ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから』
Netflix独占配信中
監督:アリス・ウー
脚本:アリス・ウー
製作:アリス・ウー、アンソニー・ブレグマン、M・ブレア・ブレアード
製作総指揮:エリカ・マトリン、グレゴリー・ズック
音楽:アントン・サンコー
出演:リーア・ルイス、ダニエル・ディーマー、アレクシス・レミール、ウォルフガング・ノヴォグラッツ、コリン・チョウ、ベッキー・アン・ベイカー、エンリケ・ムルシアーノ、マッキンタイア・ディクソン、キャサリン・カーティン
公式サイト https://www.netflix.com/jp/title/81005150
原題:The Half of It
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/