東京都は8月16日、新たに新型コロナウイルスの感染者が260人報告されたと発表した。5日連続の200人超えとなった。
こうしたなか、キャスターの辛坊治郎氏は、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」の中で、PCR検査に対しての日本における議論のなさについて異論を唱えてきている。
PCR検査を増やすと医療が崩壊する
辛坊)現実にあってはいけないことだとはいいながら、風評被害というのは現実にありますので、「あの病院はコロナがいるぞ」というだけで患者が嫌厭していかないとなると経営問題になる。病院としては、コロナの患者がいるということは隠すという話になってしまいます。そのあたりの構造というのは、何が原因なのか。この病気がどのくらい恐ろしい病気で、どういう人たちをどうやって守らなければならない病気なのかというコンセンサスが医療の世界も含めてもないのです。
現実に若年層に関しては、こうした(無症状の多い)病気なのだと。それでも若年層というと、高齢者にうつす可能性がある。それはそうなのですが、無症状で鼻の奥のウイルスを(PCR検査で)拾ってしまったような人を隔離する必要があるのか。病院に入れて入院をさせる必要はあるのか。このあたりの冷静な議論がなく、どんどん病院に受け入れさせ、医療が崩壊しかかっています、というのはおかしいです。
飯田浩司アナウンサー)PCR検査を増やせばいいだろうという議論がありますが、増やせば増やすほど本当は“ハズレ”かもしれないけれども収容しなければならないという人も増える。それに関して、お医者さんは“アタリ”の確率を少しでも増やすためには、熱のある人から行いましょうということをする。そうなると「なぜ俺はできないのだ」という声がどんどんと出てきてしまって、にっちもさっちもいかないという状況になってしまっていますね。
辛坊)私は新聞を読んでいて愕然としたのですが、感染症の専門家の方が「PCR検査はとにかく増やす。そしてPCR検査が一定数以上できるようになったら、とにかく高齢者にうつすと大変なことになる日本の介護施設の職員全員に、PCR検査を施す。そうすることができれば高齢者にうつさないで済むようになります」と言っていました。これを一瞬聞くと「ふうん」となりますね。
飯田)はい。
辛坊)介護職員は何人いるかご存じですか。介護職員は施設の従業員も入れると400万人近くいます。またPCR検査が恐ろしいのは、その段階でウイルスが出ているのかどうかを調べるのに過ぎない検査です。本当は感染していても陰性になることがありますし、翌日感染することがあります。ですので、海外に行く人のPCR検査というのはあまり気休めであり、理論的には完全に抑止できるわけではありません。しかし、一応どこの国でも、72時間前までにPCR検査を受けて、陰性証明を出してからという話です。72時間、つまり『3日、4日』というのがひとつの基準になっていますね。
となると、感染を防止するためなら、少なくとも『3日、4日』に1回、全員にPCR検査をやり続けなければならない。介護職員400万人、3日に1回PCR検査をやり続けるのかという話になるのです。そんなことができるのかというのは想像をすればわかるはずです。
(ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」7月30日放送分より)
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)