「分散型休暇」に二階幹事長が不快感を示した本当の理由
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月29日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。自民党の下村政調会長が年末年始の分散型休暇に対して苦言を呈したというニュースについて解説した。
自民党の下村政調会長~政府の年末年始の分散型休暇について「連続休暇のよう」と苦言
自民党の下村政務調査会長は、年末年始の休暇のとり方について、西村経済再生担当大臣が1月11日まで分散型ではなく、連続休暇の取得となるような発言をしたとして、西村大臣に対し、事前に党側と調整した上で、正しい発信をするよう苦言を呈した。
飯田)10月23日にアドバイザリーボードで、新型コロナ対策の専門家の方たちが「こういう案もあるよ」ということを示して、週明けの26日に西村さんがそれに沿って話をしたのだけれども、1月11日まで全部休みにするような発言でした。私もそう思いました。
鈴木)ニュアンスはそうでしたよね。「休みを長く取って、そのなかで、帰省や正月の行事を分散してやりましょう」というように聞こえましたよね。
飯田)「カレンダーが1月の頭は真っ赤になります」という話をしてしまいました。
自民党や官邸とすり合わせができていなかった
鈴木)西村さんが発言をして、ニュースになったのが25日の日曜くらいでした。
飯田)テレビ番組などでね。
鈴木)23日の金曜日にそういう提案があって、土日にやっていますから、自民党や官邸のなかですり合わせをしていません。そういう意味では、西村さんのフライングだったのではないでしょうか。自分の感覚で言ったのではないかという気がします。西村さんは、「新型コロナは自分が」という思いで引っ張って来たということもあります。
飯田)安倍政権のときからやっていますよね。
鈴木)そういう意味でも、「言葉足らずでどうなのか」という話です。しかも、党の方とはすり合わせもできていないということだと思います。
任期満了ギリギリまで解散はないか~一方で「野党が緩んでいる時期がチャンス」
飯田)また、「11日まで休みということはそのあと、仕事始めがあって、1月に始まるという通常国会はどうなるのか。さらに連想すれば、解散は?」などと、いろいろな連想もしてしまいます。二階幹事長が怒っていましたね。
鈴木)いきなり解散の話になるのもなんですが、「解散がいつだろうか」というのが永田町の空気です。昨日(28日)も夜、大臣経験者の方から電話がかかって来て、「何か解散の情報は入っていますか」と聞かれました。「いや、私が取材している感じではありません」と答えましたが、空気としては、早期解散というのもどこかに行ってしまって、来年(2021年)、年明け、下手したら任期満了ギリギリまでないのではないかという感じです。
飯田)年明けを逃したら、任期満了までできないのではないかという話もあります。
鈴木)「先だろう」というのが、永田町の空気としてはあります。菅さんはやるからには勝たなければいけないので、内閣の支持率なども含めて、勝つタイミングはいつかということになります。そういうものを全部推し量って、残り1年を切っている。このなかでタイミングを計るということになれば、「任期満了ギリギリまでないのではないか」と周辺の方たちは言っていました。12月に臨時国会が終わるでしょう。
飯田)いまのところ、4日までということになっています。
鈴木)ここからは、「Xデー」というくらいに構えておかなければいけないと思います。何かが起きて、支持率が下がるような流れになれば、その前にやった方がいい。某幹部が言っていたのは、野党も「しばらくないだろう」という空気になっているみたいです。せっかく1つの党になって、「選挙が近いぞ」という空気になっていたのが、少し緩んで来ているので、「これはチャンスだ」と。
飯田)仕掛ける側からすると。
12月以降、1月冒頭の可能性も~二階幹事長が怒った理由
鈴木)それから、来年は何と言っても、連立パートナーの公明党がすべてをかけて戦うような都議選があります。これは夏にあるのですが。
飯田)7月。
鈴木)7月だけではなく、選挙に向かって走って行くわけだから、その前の3~4ヵ月、できれば半年。これくらいは都議選に集中したいわけです。「そこは勘弁してくれ」ということを考えると、いつあってもおかしくないと思います。12月以降、1月の冒頭は政治日程としては、それなりの意思疎通を図りながら空けておかなければいけません。
飯田)フリーハンドで。
鈴木)休みを増やすというのは、その社会の流れを変えてしまうわけだから。
飯田)予断を与えることになると。
鈴木)それで、「11日まで休んで、臨時国会だけ始めるのか」という話になるわけです。だから、「そういうことは政局を考えればわかるだろう」というのが二階さんの本音だと思います。
選挙に勝てば、総裁は確実~先に延ばせばリスクが高まる
飯田)選挙を打つ、打たないがどうなって行くのかということは、次の総裁選が来年9月に重なって来ているということで、総裁選で菅さんが通るかどうかというのは、まさにこの選挙にかかると。
鈴木)そうなのです。だから、総裁選を先にやる。
飯田)本当の任期満了ギリギリ。来年10月。
鈴木)というのもあるし、直前で選挙をやって勝って。
飯田)オリンピックのムードとともに。
鈴木)選挙に勝てば、総裁を変えるということはあり得ませんから。しかし、それを先に延ばせば延ばすほど、リスクは高いです。オリンピックだってどうなっているかわからないでしょう。リスクということを考えると、前の方にやっておいた方がいい。できれば、支持率が高いうちにやっておいた方がいい。いろいろなことを考えると、いつやってもおかしくない状況をつくっておきたいわけです。
石破氏の気になる動き~来年の総裁選も狙っている
飯田)1つお伺いしたいのが、石破さんについてです。自分のところの会長を辞めました。メディアは「もう総裁選もない」と言っていましたが、私はそんな気がしないのです。ここから一念発起するのではないかと思うのです。
鈴木)石破さんはネガティブではありません。「少し離れて体勢を立て直す」ということでしょう。今度の総裁選に負けたことは、相当ショックを受けています。それは間違いありません。だけど、「立て直すのだ」という作戦です。離れることによって、いろいろな人に会えます。それは、もう1回石破支持の集団を再構築することにつながって行くという可能性があります。そのなかには、野党連携なんていう可能性も、もしかしたらゼロではないかも知れない。ネガティブに報じられていますが、立て直すと見ておいた方がいいと思います。来年の総裁選も狙っていると、私は思います。
飯田)あそこの集団は、政策に明るい人がものすごくたくさんいますよね。
鈴木)外にもいますから。石破派には入っていないという人たちとの連携。会長でなければ、いろいろな人と会えます。会長なら立場もあるし、会えない人もいます。
飯田)メディアに注目されたりしますからね。
鈴木)いまの石破さんはフリーですから。一議員ですから。この辺りがポイントです。
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